2005年09月24日(土) 03時03分
大阪府警信組、カード再発行今年180件…紛失などで(読売新聞)
大阪府警の現職警官やOBらが加入する職域信用組合「府警察信用組合」(けいしん、大阪市)で、紛失などによるキャッシュカードの再発行申請数が今年1〜8月で約180件にのぼることが23日、わかった。
組合員数が同規模の他信組に比べ、2倍以上という“異常事態”で、けいしん側が府内64署にチラシを配るなど注意喚起に乗り出すほど。カード犯罪の多発を受け、個人管理の徹底を啓発している府警が足元で脇の甘さを露呈した格好で、幹部も「一人ひとりが気をつけるしかない」と苦り切っている。
けいしんの組合員は府警勤務の警官や職員と、府内に住む退職者の計約2万6000人。月々の給与や賞与は、各自がけいしんに開設した預金口座へ振り込まれており、組合員の約9割は、銀行など一般金融機関の現金自動預け払い機でも利用可能なキャッシュカードの発行を受けている。
けいしんによると、今年に入り、府警本部内にある窓口などでカード再発行申請が目立ちだした。その大半が紛失を理由とし、「家の中に見当たらない」「どこでなくしたか、わからない」など、紛失状況が不明なケースが多いという。
盗難も2件確認され、うち1件では、ゴルフ場に出かけた警官が更衣室のロッカーからカード入りの財布を盗まれ、何者かにカードで預金を引き出された。組合員のカードが悪用された被害は、現在のところ、この1件だけという。
組合員数がほぼ同規模で、大阪市に本店を置く別の信用組合では、カード再発行申請数は多い月でも10件程度といい、担当者は「月平均20件以上というけいしんの数は、多すぎる。警官なら、一般の預金者らより、カード管理に注意を払うはずなのに」と話す。
けいしんは事態を重視して、7月から「キャッシュカードの紛失・盗難が多発しています。自己責任による管理、保管を」と記したチラシを各署に掲示するなどし、紛失、盗難防止の啓発活動に乗り出した。
けいしん関係者は「組合員の多くは普段、別の金融機関の口座を主に使っており、けいしんのカードの利用頻度は少ない。昨年は記録を取っていないが、こんなに再発行申請は多くなかった。紛失かどうかはっきりしない場合でも、警察関係者ゆえ、念のために届け出ることも増えたのだろう」としている。
一方、ある府警幹部は「結局は個人が管理する物。なくさないよう、めいめいが注意を徹底するしか仕方ない」と困惑気味だ。
(読売新聞) - 9月24日3時3分更新
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