2005年09月23日(金) 02時26分
<ヤミ金融業者>65歳男性取り立て苦に自殺 大阪・貝塚市(毎日新聞)
大阪府貝塚市で17日、家族が借りたヤミ金融業者の厳しい取り立てを苦に、同市の無職男性(65)が自殺していたことが府警貝塚署の調べで分かった。ヤミ金業者の取り立てに悩んでいた趣旨の遺書が車内に残されていた。男性が自殺したのは16日とみられ、15日までに計3回同署に相談に訪れたという。同署はヤミ金業者の違法な取り立てが自殺の背景にあるとみて調べている。
調べでは、男性は16日午前、妻(63)に「山に行く」と言い車で外出したが、17日午前8時20分ごろ、貝塚市木積の路上に止めていた車内から、首にロープを巻いて首をつっているのが見つかった。運転席のハンドル付近に家族や警察などにあてた便せん約10枚の遺書があり、「体力的にも精神的にも限界。捜査の資料がないので手の打ちようがないことは理解しているが妻を守ってほしい」などと書かれていた。
同署によると、男性方に昨年6月、金融業者を名乗る者から「金を融通する」と電話があり、妻は当初断ったが住所を聞き出され、数日後に2万円が郵送された。間もなく「死んでも払ってもらう」などと脅迫的な取り立てが始まり、近所の家にも「男性の所在を教えろ」などの電話もあったという。男性は度々変わる口座に現金を振り込むよう指示され、これまでに約20万円を振り込んだが、さらに利息名目の返済を求められていたという。
男性は9月5日、同署に「利息の催促がしつこく困っている」と相談に訪れ、弁護士にも相談したという。署員は業者を特定できる書類を持参するようアドバイスした。男性は同15日にも2回、同署を訪問。同署は「電話があっても相手にせず、押しかけて来たら110番するように」などと指導したという。【石川隆宣、勝野俊一郎、野田武】
◇貝塚署副署長「対応に問題はなかった」
中野宣人・貝塚署副署長は「(男性から)相談を受け、対応している中でこのような結果になり残念である。引き続き捜査を徹底していくつもりだが、今回の対応に問題はなかったと考えている」と話した。
(毎日新聞) - 9月23日2時26分更新
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