2005年09月22日(木) 16時31分
横須賀のリフォーム詐欺:老姉妹の成年後見人に補助弁護士選任−−家裁支部 /神奈川(毎日新聞)
横須賀市吉倉町で95歳と87歳の姉妹が悪質リフォーム詐欺に狙われていた事件で、横浜家裁横須賀支部は姉妹の財産管理にあたる成年後見人の補助人として弁護士を選任した。姉妹宅には9月にも業者と名乗る男が来訪しているが、弁護士は「預貯金の管理をする」と被害防止に努める。
姉妹は2人暮らしで、家賃収入があり、認知症気味。横須賀署の調べでは、過去2年間に横浜市の無職、和田章被告(34)=詐欺未遂罪で起訴済み=ら数業者にだまされ、1000万円を超える被害に遭っていた。
同市長寿社会課は蒲谷亮一市長を申し立て人にし、家裁横須賀支部に8月、成年後見制度の申請を出した。同支部は今月16日の審判で、同市在住の輿石英雄弁護士を補助人とする決定を下した。
輿石弁護士は横浜弁護士会で高齢者の人権問題を担当。「姉妹の預貯金の通帳を補助人が管理し、姉妹は日常の生活費などの通帳を持つ。リフォームなど改築行為は、補助人の同意がなければ、契約は無効となるので詐欺被害は防げる。今回のような認知症の高齢者の財産問題が増える現状」と話す。
姉妹は被害意識に乏しく、9月に入っても「白アリの予防」と業者を名乗る男が姉妹宅に上がろうとし、同署が事情聴取する騒ぎも起きている。
長寿社会課は「自分でまだ財産管理できる、と主張する姉妹の説得に時間がかかった。高齢者の被害防止と人権のはざまで難題がいくつもあった。高齢化が進み、こうした問題が増える傾向」とみている。【網谷利一郎】
9月22日朝刊
(毎日新聞) - 9月22日16時31分更新
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