2005年09月21日(水) 00時00分

検審「不当」議決の死亡事故 女性再び不起訴 （東京新聞）

　小山市で二〇〇三年十月、同市の会社員男性＝当時（５５）＝がトラックと乗用車に連続してはねられ死亡した事故で、いったん不起訴となり、栃木検察審査会が「不起訴不当」と議決した乗用車の女性（２３）について、再捜査を進めていた宇都宮地検が、この女性を嫌疑不十分であらためて不起訴処分にしていたことが二十日分かった。

　事故は〇三年十月二十八日、小山市城北で発生。横断歩道を歩いて渡っていた会社員男性がトラックにはねられ対向車線に転倒し、さらに女性の乗用車に約五百五十メートルひきずられ死亡した。トラックの男性は業務上過失致死容疑で逮捕、起訴され、同罪の有罪判決が確定した。

　一方、乗用車の女性は同容疑で書類送検されたが、地検栃木支部は「事故は避けられなかった」などとして不起訴処分を決定。これを不服とした会社員男性の遺族から審査を申し立てられた検察審査会が、昨年十二月、「不起訴不当」の議決をしていた。

　審査会は不起訴不当の議決当時、「死亡鑑定書から、会社員男性は（女性の）乗用車にひかれるまで生きていたと考えられる」「女性は犬がひかれて倒れていると決め込み、被害者を車に巻き込んだまま、五百五十メートルも走行した行為は悪質」などと指摘していた。

　これに対し地検は今回、「指摘を含め再捜査した結果、女性の明らかな過失は認められなかった」としている。　（杉藤　貴浩）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20050921/lcl_____tcg_____003.shtml