2005年09月20日(火) 00時00分
「ニセ募金」とばっちり/伊丹のNGO(朝日新聞・)
阪神大震災を機に設立された伊丹市のNPO法人「日本レスキュー協会」の募金額が、NPOをかたって「ニセ募金」を集めた団体の影響を受け、月平均半分ほどに落ち込んでいる。災害救助犬を派遣したり、捨て犬をセラピードッグに育てたりする活動に必要な資金の約3割を街頭募金で賄っているだけに、スタッフたちは「このままでは活動に影響が出る」と心配している。
日本レスキュー協会によると、NPOをかたった団体は昨年ごろから同協会が募金活動をしている三宮、元町、梅田、心斎橋などの場所についてくるように現れ、すでに亡くなっている子どもなのに「難病支援」と掲げて募金をしたり、同協会の犬の横に募金箱を持って立ったりしたという。このため、何度かやめるように注意したが、団体の責任者が大阪府警に職業安定法違反で逮捕される5月末まで続いた。
この責任者は、神戸市や大阪市などの街頭で、募金活動を装って通行人らから金をだまし取ったとして、詐欺容疑でも逮捕、起訴された。
同協会は年間の経常収入約8600万円のうち、約2800万円を街頭募金で賄ってきた。逮捕前に「ニセ募金」についての報道があったこともあり、同協会のスタッフは「そのお金、何に使ってるんや」「あんたらまともな団体か」と市民から疑念の目を向けられるようになったという。今年2月までは月200万円以上集まった募金は、4月には100万円を切った。
同協会は被災者の人命救助を目的として95年9月に発足。これまで、トルコ北西部地震や新潟県中越地震などの被災地に救助犬とスタッフを派遣し、生存者の発見に貢献した。今は6頭の災害救助犬がいつでも被災地へ行けるよう同協会で訓練をしている。03年9月には、捨て犬を引き取って人間を癒やす「セラピードッグ」としての訓練を積ませる「セラピードッグメディカルセンター」を新設。昨年度までに特別養護老人ホームや児童養護施設などを年200回以上訪問し、お年寄りや子どもたちと交流した。
同協会主任の倉田由美さん(40)は「10年かけて築いた信頼を崩したくない。協会を支援してほしい」と話している。
同協会ではホームページ(http://www.japanーrescue.com)に収支報告を載せている。
(9/20)
http://mytown.asahi.com/hyogo/news02.asp?kiji=11059
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