2005年09月16日(金) 16時26分
悪質リフォーム:ア社地裁判決 別の被告に執行猶予−−量刑判断分かれる /埼玉(毎日新聞)
◇「会社がノルマ」
悪質な訪問リフォーム営業を繰り返したとして、特定商取引法違反(不実告知)罪に問われた住宅リフォーム会社「アクアジャパングループ」従業員、下川了(さとる)被告(26)の判決公判が15日、さいたま地裁であった。蛯名日奈子裁判官は「利欲的な動機できわめて悪質」としながらも「会社が利益を最優先とし社員に厳しいノルマを示した」として会社の責任に触れ、下川被告に実刑ではなく、懲役1年・執行猶予4年(求刑・懲役1年)の判決を言い渡した。
同じア社の従業員で同罪に問われた中江匡志被告(26)は「顧客に虚偽の事実まで告げて契約に奔走した」として異例の懲役10月の実刑判決を受けており、量刑判断が分かれた。
判決などによると、下川被告は04年1月13日、戸田市の無職の男性(当時70歳)方で、男性に「台所の土台に水漏れの跡がある。地震が来たら家が壊れます」などとうそを言い、不要な床下耐震補強工事を10万5000円で契約、施工した。
下川被告は02年10月からア社の営業担当として勤務し、約2年5カ月の間に約200件の不要な契約を繰り返し、約2500万円の歩合給を得ていた。蛯名裁判官は、下川被告の勧誘方法を「訪問販売などの商取引の公正・信用をも害した」と指摘した。一方で「契約をとることを至上命題とする不当な方針を会社が社員に強いていた。被告人のみに全責任を負わせるのは酷」とした。
下川被告は被害者の男性に20万円を支払い、示談が成立しているという。【和田憲二】
9月16日朝刊
(毎日新聞) - 9月16日16時26分更新
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