2005年09月13日(火) 19時40分
ゲームのログインデータを狙ったフィッシング詐欺--仮想グッズの現金化が目的か?(CNET Japan)
Dan Hunterが受け取ったメールには、オンラインゲーム「Eve Online」で同氏が使用しているアカウントを、同氏の「異常な行動」を理由に一時停止したと書かれていた。さらに、メールに記載されたリンク先でログインデータを入力し、アクセスを回復する必要があるとも書かれていた。それを読んだHunterは、そのメールを詐欺メールだと認識した。
ウォートンビジネススクールの法律研究/商業倫理学助教授のHunterは、フィッシング詐欺と呼ばれるこの種のいたずらメールは、通常、PayPalやオンライン預金口座へのアクセス権を取得するために利用されると考えていた。しかし、今回のようにオンラインゲームのプレイヤーのログインデータを狙うフィッシングメールを見るのは初めてだった。
Hunter は、自ら共同編集者を務めているTerra Novaと呼ばれる仮想世界の経済に関するブログへの書き込みの中で、「(この種の)フィッシング詐欺の手法の巧妙さは通常のフィッシング詐欺と変らない」としながらも、「しかし、詐欺師らが仮想世界の詳細なログインデータを狙ったフィッシング詐欺を働いているという事実には驚かされた」と感想を述べている。
一部のオンラインゲームプレイヤーらによると、長年彼らに対して行なわれてきた詐欺行為は、彼らにログイン情報を放棄させ、それを乗っ取るというものだったという。そして、その目的は、通常はかなりの労力を費やさないと到達できない高いレベルに、何の苦労もせずに一気に移動することにあった。多くの場合、それらの攻撃の動機は、欲よりも、自分で努力したくないという怠惰であった。確かに困った問題だが、連邦政府が調査に乗り出すべき問題ではないだろう。
しかしHunterは、今回の問題はそれだけにとどまらないと憂慮している。最大の理由は、オンラインゲーム内で使用される武器、キャラクター、通貨といった仮想グッズが現実世界の現金で取引される恐れがあるとの懸念がゲームコミュニティ内で広がっているためだ。
Hunterは、「これらの仮想財産の価値を示すさらなる証拠がある」と述べ、次のように続けた。「(オンラインゲーム内で)価値ある財産を入手したら、すぐにでも電子的に取引が可能だ。詐欺師らにとって、それらの財産は時間をかけてもプレイヤーから奪い取るだけの価値があるため、各プレイヤーは極めて大掛かりな詐欺の被害に見舞われる可能性がある」
仮想世界と現実世界をまたいだ取引の方法は、以下のようになる。オンラインゲームのプレイヤーたちは、ゲーム内で使用する戦闘用の斧や金貨といったグッズをeBayやIGEなどの流通市場サービス上で、現金で売買可能だ。買い手と売り手の間で取引が成立し、代金の受け渡し(PayPalなどの決済サービスが利用される場合が多い)がなされると、彼らはオンラインゲーム内の世界で会い、実際にアイテムを交換する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。
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