2005年09月08日(木) 15時05分
HIV感染者 「安らかな最期」に壁 ホスピス半分が入院渋る(産経新聞)
HIV(エイズウイルス)に感染した人ががんの末期症状になり、緩和ケア病棟(ホスピス)への入院を希望しても、48%の施設は感染を理由に「受け入れは困難」と考えていることが八日、国立病院機構東京病院の永井英明緩和ケア病棟医長の調査で分かった。
国内で報告されたHIV感染者とエイズ患者の累計は一万人を突破。発症を抑える治療法は進んだが、「安らかな最期」を迎えられる体制は整っていない現状が浮かんだ。
調査は一−二月、全国の百三十九施設に実施し、九十八施設が回答。七月の日本緩和医療学会で報告された。
余命半年以内と診断されたがん患者がHIV感染者だった場合、受け入れ可能としたのは52%。残りは「受け入れは困難」とし、理由は「経験がない」「体制が整っていない」などだった。
一方、回復の見込みがないエイズ末期の患者から入院の申し込みを受けたことがあるのは、全体の17%に当たる十七施設で、そのうち受け入れたのは五施設だけだった。
永井医長は「スタッフ研修などでHIV診療への不安を取り除き、全国で緩和ケアが受けられる体制の整備が必要だ」と話している。
(産経新聞) - 9月8日15時5分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050908-00000036-san-soci