2005年09月08日(木) 14時39分
三菱ふそう、リコール完了へ…98件のべ250万台(読売新聞)
三菱ふそうトラック・バスで昨年3月以降、次々に発覚した100件を超す「欠陥隠し」問題について、同社は9月中にもリコール(改修、無償交換)届け出をすべて完了する。これで、国土交通省から言い渡された「落第企業」の汚名を、1年半かけてやっと返上することになる。
しかし、一方でリコール改修作業のミスで事故・不具合が後を絶たず、国交省も当面の間は、発売前新車の事前審査を厳格に行う方針で、信頼回復への道のりはまだ遠い。
一連の「欠陥隠し」問題は、昨年3月に明らかになった大型トラックの車軸周辺部品「前輪ハブ」からスタート。同年6月には、社内調査結果で、計47件の欠陥隠しを行っていたことを認めた。
しかし、その後も「欠陥隠し」はとどまるところを知らず、今年2月には新たに41件を、さらに6月にも15件の欠陥を再度、追加公表。このほかに、散発的に公表した欠陥と合わせると、市場措置が必要な欠陥数は、8日現在で計108件、リコール件数は計98件に上っている。
三菱ふそうではこのうち、計92件でリコールを完了。残る6件も対策のめどが立ち、9月中には国交省に届け出作業を済ませる。最終的な対象台数はのべ250万台に上る見通しで、過去30年間に製造したほぼすべての車両がリコールを受けることになる。
欠陥隠し問題に見通しがついたことで、三菱ふそうでは、「これで汚名返上できる」とする。しかし、国交省は「まだ執行猶予中のようなもの。リコール届け出を終えても、卒業したとは言えない」と手厳しい。過去の問題で区切りがついても、問題はまだ山積しているからだ。
三菱ふそうでは今年4月、欠陥隠しで届け出た大型トラックのサスペンション部品欠陥を巡り、改修済みの車両で事故・不具合が多発。すでに全国で6件に上ることから、国交省が調べたところ、販売店などでの作業ミスが原因だった。
ミスの大半は、作業指示書で使用を禁止している工具で部品を締め付けた結果、部品を壊してしまうという信じられないものばかり。たまりかねた国交省は8月以降、全国の販売店を対象に立ち入り検査の実施を始めている。
一方、国交省は今月7日、三菱ふそうが申請した発売前の新車計60車種について、「安全上の問題はない」として発売を認める決定をした。事前審査は、最も長い車種で1年以上もかけており、国交省では「今後も、三菱ふそうは厳しい目で監視を続ける」としている。
(読売新聞) - 9月8日14時39分更新
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