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2005年09月05日(月) 00時00分

チャット・メール・掲示板…トラブル防止に 学ぼう“ネチケット” 電子メールやチャットでのマナーを勉強する子どもたち=写真は、東京都目黒区の下目黒小学校で 東京新聞

 チャットでけんか、メールで絶交、掲示板でいじめ…。面と向かって話す会話とは違って、ネットでのやりとりはその人の気持ちが分かりにくいだけに誤解も生みやすい。そんなネット上のトラブルを防止しようと夏休みも大詰めの8月末、東京都目黒区の下目黒小学校でネット上のエチケット(ネチケット)を学ぶ「NECネット安全教室」が開かれた。 (引野 肇)

 同校のコンピュータールームには、安全教室への参加を希望した同小三−六年、十一人が集まった。夏休み中ということもあって、みなリラックスした様子で、キーボード操作もブラインドタッチ。操作方法に戸惑っている子どももいないようだ。子どもたちは、実際に電子メールやチャット、掲示板などを楽しみながら、やってはいけないことや、注意すべきことなどを学んだ。

 講師はNPO法人日本ガーディアン・エンジェルス千葉支部長の宮崎大樹さん。「チャットでいやな思いをしたら、すぐに退室してください」など、子どもたちの操作状況を見ながら、ネットでの実践的なマナーについて注意。予定していた一時間半は瞬く間に過ぎた。

 この日の教室のポイントは(1)相手を傷つけるようなことは書き込まない(2)チャットや掲示板で自分の住所や電話番号は書き込まない(3)チャットでけんかになりそうになったら退室する(4)何か怪しいと思ったらすぐ両親に相談する−など。サポート役のボランティアたちも、子どもたちと一緒になってキーボードをたたいていた。

 同校は二年前から、子どもたちの夏休み期間中の学習活動として、科学実験や生け花などの教室を開いており、この安全教室もその一環。鹿海治校長は「授業でもパソコンを使ってネットのルールやマナーについて教えている。ネットの被害はまだないが、不安はある。これは学校としても避けて通れない問題です」と、安全教室を開いたねらいを語る。

 この安全教室は、NECと日本ガーディアン・エンジェルスが協力して行っているボランティア活動。全国各地の小中学校や児童館などに出向き、子どもたちにインターネットを楽しむ上で必要なエチケットとマナーを教えている。今年だけで、すでに十一回開催した。

 NEC社会貢献室の山辺清和さんは「安全教室は六年前にスタート。当初は何か硬いイベントというイメージもあって、参加者も少なかった。でも、昨年六月の長崎県佐世保市の小六女児殺害事件以来、『うちの学校でもやってほしい』という要望が増えた。悪質な事例も増えており、親も学校も危機感を持っている」という。講師の宮崎さんは「こういうことは繰り返し行うことが大切。子どもたちを見ていると、『プレゼントをあげる』などというメールにだまされやすいと感じる」と言う。

 安全教室の終わりに、子どもたちに「パソコンをやっていて、これまでいやなことや、おかしいと思ったことがある?」と聞いた。一人が「ネットでゲームをしていたら、ぼくがゲームに弱いので『××を倒せよ!』と言われてけんかになったことがある」と話してくれた。でも、ほとんどが「ない」と答えた。

 鹿海校長も指摘するように、小学生の間ではまだ大きな問題にはなっていないのだろう。でも、パソコンはこれからどんどん普及していく。ネット安全教室の役割は、ますます重要になるだろうと思った。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20050905/ftu_____dgi_____000.shtml