2005年09月01日(木) 04時00分
麻原被告の鑑定立ち会い拒否され 控訴趣意書出さず 弁護団(産経新聞)
地下鉄サリン事件など十三事件で殺人罪に問われ、東京地裁で死刑判決を受け控訴したオウム真理教、麻原彰晃被告(50)=本名・松本智津夫=の弁護団は、東京高裁が提出期限としていた三十一日までに、控訴趣意書を提出しなかった。すでに高裁は麻原被告への精神鑑定の実施を決定。弁護団は趣意書の骨子を作成したが、高裁に鑑定への立ち会いなどを拒否されたため、出すのをやめたという。
高裁は当初、今年一月十一日としていた提出期限を、弁護側の求めで八月末に延長していた。公判は一審判決から一年半を経過しても、控訴審の書類が提出されない異例の展開となった。
刑事訴訟法は、期限内に趣意書が提出されない場合、裁判所は決定で控訴を棄却しなければならないと規定。一方、刑事訴訟規則は、遅延がやむを得ないと認められるときは、期限内に出したものとして扱うことができるとしている。
弁護側によると、高裁は「鑑定結果が出るまでは控訴棄却には踏み切らない」と明言したという。鑑定は少なくとも二カ月かかるとみられる。
弁護側は、「被告は重い精神疾患で、訴訟能力はない」と主張しており、今後、三人目となる弁護側依頼の医師による精神鑑定結果を提出する。
(産経新聞) - 9月1日4時0分更新
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