2005年08月27日(土) 02時55分
新種ウイルス…対策ソフト開発へ 総務・経産省、5年で100億円見込む(産経新聞)
他人のパソコンを乗っ取り、遠隔操作でサイバー攻撃の道具として利用する新種のコンピューターウイルス「ボットプログラム」について、総務省と経済産業省は二十六日、国内での感染状況の調査や、対策ソフトの開発に乗り出す方針を固めた。インターネット接続業者などと共同で、感染者に通知する仕組みをつくり、ウイルス駆除につなげる。関連予算として五年間で約百億円を見込んでおり、来年度予算の概算要求に両省で計約二十億円を盛り込む。
ボットプログラムは、「ウイルスの最終進化形」(セキュリティー関係者)といわれ、電子メールなどを通じて感染する。感染したパソコンは、スパム(迷惑)メールの送付元になるなど、他人の意のままに操られる。パソコン内のデータやメールを盗み見られる危険もあるという。
ウイルスに感染したパソコンは「ボットネット」というネットワークを構築し、数千台が一斉に企業のサーバーなどに攻撃を仕掛けるケースもある。米国では昨年、ウェブサービス会社が攻撃を受け、ヤフーやアマゾンなどのサイトにアクセスできなくなったほか、国内でもネット接続業者のサーバーが一時ダウンする被害があった。
このウイルスが厄介なのは、感染していることに気づきにくい点。数千種類あるとされるが、勝手にバージョンアップを繰り返すため、「市販の対策ソフトで検知しにくい」(総務省幹部)。同省などが今春、実態調査を行った結果、「推定で四十万から五十万台のパソコンが感染している」ことが判明した。
総務省や経産省では来年夏、ウイルス対策会社やネット関連企業などと共同で対策に乗り出す方針。ウイルスの収集や解析、感染状況の調査に加え、検知システムの構築、感染防止や駆除用の対策ソフト開発を行う。感染者にはメールなどで通知し、駆除ソフトを配布する仕組みも作る。期間は十八年度から五年間を予定している。
(産経新聞) - 8月27日2時55分更新
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