悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年08月26日(金) 00時00分

自殺予告者の氏名提供 東京新聞

 インターネットの自殺サイトを通じた集団自殺が急増しているのを受け、プロバイダー(接続業者)などでつくる業界四団体は二十五日、警察に自殺予告者などの情報提供を行う基準や手続きなどをまとめたガイドライン案を発表した。警察庁では「より多くの人命が救えるようになる」と期待している。

 これまでは、ネット上の自殺予告や集団自殺の呼びかけを知った警察がプロバイダーらに発信者の名前や連絡先などの提供を求めても、業者が令状なしの情報提供を拒むこともあり、対応はまちまちだった。自殺予告だけでは犯罪にあたらないことから警察側も令状が取りにくく、業者側も「通信の秘密」と人命保護の間で対応に悩んでいたという。

 警察庁の有識者会議が今年四月、情報開示についての提言を行ったことから、大手プロバイダーを網羅する四団体が、警察庁などの協力を得てガイドラインづくりを進めてきた。

 案では、法律上の「緊急避難」にあたる場合は令状がなくても情報開示ができることを明示した上で、原則として警察側から開示が必要な理由が書かれた所定の文書で照会があったときに開示を行う。

 書き込みの具体性などから、▽実行の時期が近い▽現実に実行する可能性が高い▽意思が表示されている−などの点を判断して、発信者を特定する必要最小限の情報を警察に伝える。

 ガイドラインは一般からの意見募集を経て、十月ごろには正式決定される。

 四団体の一つ、テレコムサービス協会(加盟社約三百社)の桑子博行サービス倫理委員長は「これまでは通信の秘密との兼ね合いでどの場合なら開示してよいのか業者は判断に悩んだが、今後は警察と連携してしっかり対応していきたい」と話している。

 ネットによる集団自殺の死者は、一昨年に十二件三十四人だったのが、昨年は十九件五十五人に増え、今年は六月末で既に二十五件七十人に上っている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050826/mng_____sya_____010.shtml