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2005年08月25日(木) 00時00分

暮らし見つめて ’05総選挙 立候補予定者にアンケート 貸出上限金利を問う 東京新聞

 消費者金融やクレジットの使いすぎで返済に行き詰まる多重債務者の救済活動をしている「高金利引き下げ全国連絡会」などの十団体が、衆院選の立候補予定者を対象に「出資法が定める貸出上限金利を上げるべきか下げるべきか」をテーマにした緊急アンケートを実施。投票日八日前の来月三日に結果を発表する。上限金利の引き下げを求める運動を展開している団体で、候補者へ「暮らしの現実をよく見て」と訴えている。 (白井 康彦)

 同連絡会は今月六日に松山市で開いた「金利を考えるシンポジウムin松山」で、総選挙がある場合はアンケートを実施する方針を決め、各候補に郵送した。

 ▽上限金利を挙げるか下げるか?▽適正と思う上限金利の水準は?−を問うアンケートだ。

 多重債務者は全国で約二百万人とみられ、その背景には「消費者金融会社や信販会社らが二十数%の高金利で貸しているから、返済に行き詰まる多重債務者が多くなる」と、同連絡会の弁護士。

 来年の国会で上限金利の見直しが議論される見通しで、今の時期に衆院選の立候補予定者に金利問題を強く意識してもらうとともに、投票の判断材料の一つになれば、との思いから実施を決めた。このため各候補者の回答内容も発表する。

    ◇

 日本では、貸金業者の貸出金利の規制は二本立てでややこしい。

 「これを超す金利で貸したら刑罰を科す」という意味の上限金利を設定しているのが出資法で、現在の上限金利は年29・2%。一方、利息制限法は「超過金利で貸した場合はその部分の利息が民事上で無効となる」という意味の上限金利を決めており、現在は貸出金額に応じ年15−20%。

 利息制限法と出資法の上限金利のはざまの金利が「グレーゾーン金利」。貸金業規制法には一定の要件を満たせばグレーゾーン金利が有効になるという「みなし弁済規定」があり、それを根拠に消費者金融会社などがグレーゾーン金利で貸している。

 ただ、裁判所ではみなし弁済の要件が厳格に解釈にされる傾向が強いため、弁護士などが多重債務の処理にかかわると、グレーゾーン金利が認められないことがほとんどだ。この場合は出資法上限金利で借りたことにして計算し直すので、借金残高は減る。

    ◇

 弁護士らの団体は「出資法上限金利を利息制限法の上限金利まで引き下げてほしい」と主張しており、引き下げを求める署名集めを全国で精力的に進めている。

 業界側は、出資法上限金利の引き下げは断固拒否の姿勢。「引き下げるとヤミ金融に飛びつく債務者が増えてしまう」といった理由を上げる。強く求めているのは、みなし弁済規定の要件緩和で、上限金利の引き上げや上限金利規制をやめる「金利自由化」を求める声もある。

 弁護士らは「これまでは自民党は業界寄りの姿勢の国会議員が目立った。その他の政党の方が金利引き下げ論に好意的」とみているが、どんな結果が出るか。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20050825/ftu_____kur_____000.shtml