2005年08月20日(土) 12時22分
副作用で死亡、米大手製薬会社に280億円賠償命令(読売新聞)
【ニューヨーク=小山守生】テキサス州の男性が死亡したのは消炎鎮痛剤「バイオックス」の副作用が原因だとして、遺族である妻が製造元の米製薬大手メルク(本社・ニュージャージー州)を相手取って損害賠償を求めた訴訟で、州地裁陪審団は19日、2億5300万ドル(約280億円)の支払いをメルクに命じる評決を下した。
AP通信などが報じた。メルクは評決を不服として控訴する方針を表明した。
メルクは2004年9月、「服用によって心臓病の危険性が高まるとの研究結果が出た」としてバイオックスを自主回収したが、これまでに薬害を訴える訴訟が全米で4200件以上起こされている。一連の訴訟での評決は、今回が初めてだ。
賠償額のうち、2億2900万ドルは懲罰的賠償で、メルクの賠償額は最終的に百数十億ドル以上に達するとの見方も出ている。
バイオックスは日本では未発売だが、米国では2000万人以上が服用したとされる。
男性は2001年に59歳で死亡したが、それまで8か月間、バイオックスを服用していたという。一方、メルクは男性の死亡原因はバイオックスの副作用による心臓発作ではなく、不整脈だと主張していた。
(読売新聞) - 8月20日12時22分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050820-00000103-yom-bus_all