2005年08月20日(土) 00時00分

松本被告　精神鑑定へ（読売新聞）

オウム裁判東京高裁

　地下鉄、松本両サリンなど１３事件で殺人罪などに問われ、１審で死刑判決を受けたオウム真理教の松本智津夫被告（５０）について、東京高裁（須田賢裁判長）は１９日、近く精神鑑定を実施することを決めた。捜査段階から公判を通じて、同被告の精神鑑定が行われるのは初めてで、訴訟能力があるかどうかを見極めることになる。一方、弁護側から申請されていた控訴趣意書の提出期限（今月末）の再延長と公判手続きの停止については認めず、期限までの趣意書提出を強く要請した。

　須田裁判長は「松本被告に訴訟能力があるとの判断は揺るがない」としながらも、弁護側が提出した精神科医の意見書が「長期の拘禁による意志の障害で、心神喪失状態」と指摘したことなどに配慮し、鑑定形式で精神医学の専門家から意見を聞くことを決めた。

　鑑定で「訴訟能力なし」と判断されれば、公判は停止される。「訴訟能力あり」との結果が出た場合には、控訴趣意書が提出されていないと高裁が控訴を棄却、１審の死刑判決が確定する公算が大きい。

http://www.yomiuri.co.jp/features/kyouso/200508/ky20050820_01.htm