2005年08月16日(火) 14時08分
IBM、『Firefox』用にユーザー補助コードを寄贈(japan.internet.com)
IBM (
NYSE:IBM ) は15日、Web ブラウザ『Firefox』をより多くの人にとって使いやすいものにするユーザー補助 (アクセシビリティ) コードを、同ブラウザ開発元
MozillaFoundation に寄贈したと発表した。
今回 IBM が寄贈するのは、現在標準化団体
WorldWideWebConsortium (W3C)で標準化手続きが進行中の DHTML ユーザー補助技術と、Web ページを自動的に音読/拡大し、マウスクリックではなくキーボードによる操作性が向上するコードだ。IBM 提供のコードを用いたユーザー補助機能は、9月末にリリース予定の『Firefox 1.5』でお目見えする見通しだ。
DHTML とは、静的な HTML コンテンツに対する動的コンテンツ、すなわちリッチ インタラクティブ アプリケーション (RIA) を作成するための HTML 拡張仕様だ。同様の技術としては、近年 Ajax (非同期/JavaScript/XML の合成語) の認知度が高まっている。
Ajax の実施例だが、最近『
GoogleMaps 』や
Amazon.com (
NASDAQ:AMZN ) の検索エンジン『
A9 』が人気を集めており、全般的な傾向として、Web における RIA の需要が高まっている。静的コンテンツとの大きな違いは、サーバーとのやりとりを非同期的に行なうため、デスクトップアプリケーションと同等の使い勝手を実現できることにある。
IBM の著名なエンジニア Richard Schwertfeger 氏によると、同社の DHTML ユーザー補助コードにより、Firefox 1.5 は視覚障害者や運動障害者用のユーザー補助機能を提供する世界初のブラウザになり、インターネットにおける RIA にとっても大きな前進になるという。
「この種の技術 (RIA) はこれまで、障害者が利用できるものではなかった。実際、欧州連合 (EU) は、JavaScript が障害者の利用に即していないとして、同技術の利用に難色を示している。われわれは、幅広い人々に対するアクセシビリティだけでなく、幅広い人々に対する利便性も高めることができる」と Schwertfeger 氏は語った。
Mozilla Foundation 会長の Mitchell Baker 氏は声明の中で、「Firefox の機能拡大と障害者向けのアクセシビリティ強化に対する IBM の貢献は、Firefox にとって重要な技術的成果だ。より大きな規模で、Web とそのすべてのコンテンツを、誰でも利用できるようにすることが必要だ」と述べている。
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