2005年08月13日(土) 23時05分
被害女性のカード、供述場所で発見…自殺サイト殺人(読売新聞)
自殺サイトを利用した連続殺人事件で、大阪府警は13日、殺人容疑などで逮捕した同府堺市、人材派遣会社契約社員・前上博容疑者(36)が、被害者の一人の同府豊中市の無職女性(当時25歳)の所持品などを捨てたと供述した同府和泉市の光明池を捜索、女性名義のキャッシュカードを発見した。
遺体を埋める際に使ったというスコップなどは見つからなかった。
一方、無職女性と親しかった女性会社員(27)が12日夕、遺体遺棄現場の同府河内長野市の山中を訪ね、女性が好きだったヒマワリを手向けた。会社員は女性を励まし続け、ようやく見えてきた好転の兆しに確かな手応えを感じていたという。「悩みの深さに気付いていれば……」。自責の念を抱きながら、花束を供えた。
女性に異変が訪れたのは19歳のころ。過食と拒食を繰り返し、自宅に閉じこもるようになった。会社員は2、3か月ごとに知人の近況などをつづった手紙を送り続けた。昨年7月、連絡があった。再会した女性はやつれ、目もうつろ。それでも、食事やドライブに誘うと、必ず来てくれた。
1か月後、女性が言った。「失効したミニバイクの免許を取り直したい。アルバイトもしたい」。うれしかった。しかし、その後、仕事に追われ、女性との連絡が途絶えた。
昨年末、女性は前上容疑者と自殺サイトで知り合って誘い出された。殺害されたのは誕生日前日の今年2月19日。あんな男とさえ知り合わなければ、自殺を考えることはなかったと思う。「あの時、連絡を取り続けていれば」。怒りの矛先は自らにも向いたという。
(読売新聞) - 8月13日23時5分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050813-00000215-yom-soci