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2005年08月05日(金) 17時20分

悪質リフォーム 住宅1軒に床下調湿剤3.75トンも毎日新聞

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男性宅の裏庭に3〜10センチの厚さに敷きつめられた調湿材=東京都江戸川区で、手塚耕一郎写す    東京都江戸川区の無職男性(今年5月に85歳で死去)宅に大量の床下調湿剤がまかれたり、換気扇が過剰に設置されていたことが先月発覚したが、まかれていた調湿剤の量は計3.75トンに上ることが毎日新聞の調べで分かった。住宅1軒への散布としては前例がない量で、換気扇の設置費などを含めると、担当した業者の総工事額は2115万円余りになる。男性の遺族は全額返金と原状回復を求めている。
 この業者は東京都葛飾区に本社を置く「サンイースト」。当初は、01年9月に調湿剤1.5トン(315万円分)がまかれたと見られていたが、新たに男性宅から同10月に1.5トン(320万円分)、同12月に750キロ(150万円分)を散布したことを示す領収書が見つかった。3カ月間で計3.75トン(785万円分)がまかれた計算になる。
 サ社は調湿剤を1袋(10キロ)2万3000円で販売していたが、関係者の話では、仕入れ値は10分の1以下。男性宅の床下は、別の業者が設置した複数の換気扇がサ社の調湿剤に埋もれていたり、裏庭(約70平方メートル)の全面に大量の調湿剤が敷き詰められていた。場所によっては厚さ約10センチにもなっていた。現場を調査した1級建築士は「常軌を逸した工事」と話している。
 領収書によると、サ社はこのほかにも床下・天井換気扇16台や補強金具232個を設置するなどしており、01年9月〜04年2月までの約2年半で計15回、2115万8000円分の工事を重ねていた。大半は同じ男性営業員が担当していた。
 サ社は営業員による訪問販売で、高齢者らの不安をあおって調湿剤などを売りつける手口が問題化。昨年6月に東京都から特定商取引法に基づく行政処分(業務改善の指示)を受けたが、その後は別の会社名を使って葛飾区や千葉県市原市の営業所などを拠点に営業を続けている。【須山勉】
 【床下調湿剤】住宅の床下の湿気を取るためにまかれる砂利状の物質で、原材料は吸湿機能を持つ天然鉱物など。床下が土の場合はビニールシートを敷いた上にまくと効果的とされる。十分な知識がない業者が地面に直接まいたり、過剰に散布して高額な料金を取る事例が問題化している。
 ◇社長「営業員に指示していない」
 サンイーストの正井敏仁社長は毎日新聞の取材に対し、これまでに3回にわたって文書で回答した。主なやりとりは次の通り。
 −−なぜ3.75トンもの調湿剤をまいたのか。
 ◆担当営業員(現在はサ社を退職)の報告では、男性宅の敷地内に大きな家が2軒あり、アパートも経営しているということだったので、そのすべての建物に工事をしたものと理解していた。
 −−実際の工事は、男性宅1軒にしか行われていないが。
 ◆担当営業員に聞いたところ、男性宅1軒だけに追加工事をしていたことが確認された。早急に現場を調査したい。
 −−社長自ら営業員に対し、男性宅から追加契約を取るよう指示していたとの証言もあるが。
 ◆そのような指示をした覚えはまったくない。
(毎日新聞) - 8月5日17時20分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050805-00000019-maip-soci