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仕事での移動中や出張先などでパソコンを使う機会が増えている。PHSによるデータ通信ならどこに居ても通信できるが、速度が毎秒百二十八キロビットと、ブロードバンド(高速大容量)に比べかなり遅いのが難点だ。
そこで最近注目を集めているのが、公衆無線LAN。接続業者と契約している喫茶店やホテルなら、自由にブロードバンド環境を楽しめる。ただ、さまざまな場所で、それぞれ異なる業者がサービスを提供しており、「利用可能な場所は増えたけれど、どこでどのサービスが使えるのか分かりにくい」という不満もある。
そんな中、トリプレットゲート(東京都品川区)が、モバイルポイント、無線LAN倶楽部、ヤフーBBモバイルなど、複数の事業者の無線LANサービスを自由に使える「ワイヤレスゲート」を昨年十月に開始した。JR主要駅、私鉄や地下鉄の駅、空港、ホテル、喫茶店、ファミリーレストランなど、東京を中心に全国二千三百カ所で無線LANを利用できるというわけだ。通信速度は最高で毎秒十一メガビット。
同社は将来、全国一万カ所に拡大する計画。基本料が毎月二百十円で、利用に応じて料金がかかる仕組み。PHSとの併用や、利用回数の多くないライトユーザーの取り込みを狙っている。
開始半年で同社の登録者は約一万五千人に。うち八割がビジネスマンという。そんな都内の会社員、小久保岳人さん(33)は「電子メールならPHSでいいが、取引先の情報調べや、大きな資料ファイルの送信などはやはり無線LANでないと」と言う。
同サービスを利用する川崎市の主婦、田島香さん(32)と池田佳子さん(31)は「外出は小さな子どもと一緒で、あまりうろうろできない。そんな時は無線LANスポットに行って、インターネットで子連れで行ける場所や催し物を探す」。大学四年生の川上智子さんは「就職活動で、企業説明会の予約はスピードが勝負。ネットで受け付けが始まるとすぐ定員が埋まる。だから、企業を回りながら次の予約を入れるのに無線LANスポットを使った」と語る。
田島さんや川上さんは、自宅も無線LANの環境になっている。家庭での利用が増えたことが、ライトユーザーの“街角への進出”を後押ししている。
ライブドアも、独自の公衆無線LANサービス「D−cubic」を東京で十月から始める。東京電力系の通信会社パワードコムの協力で、電柱に中継機を付け、山手線の内側の80%の面積を無線LAN環境で覆う。料金も月額五百二十五円と、かなり安い設定。来年末にはエリアを関東の一都八県に、二年後には全国主要都市に拡大する予定で、最終的には全国で人口カバー率80%を目指すという。
ライブドアの照井知基副社長は「ここ数年で無線LAN対応のパソコンが普及するとともに、通信用の電波を飛ばす技術が格段に進んだ」と、公衆無線LANサービスが展開できる環境が整ったと説明する。
一方、通信料はまだ高めだが、通信網がはるかに広いPHSでも毎秒メガビット単位の高速通信サービスが始まっている。全国の街角で、自由に高速インターネットが楽しめる時代がやってきた。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20050801/ftu_____dgi_____000.shtml