2005年08月01日(月) 16時46分
宅配メニューでカロリー過少表示、明確な規定求める声(読売新聞)
健康やダイエットへの関心が高まる中、レストランでカロリー表示のあるメニューが増えている。だが、カロリーの数値は調理法や測定法による変動幅が大きいこともあって、法律での表示義務づけはなく、表示の際の統一的なルールもないのが現状だ。
5月には大手ファミリーレストラン「すかいらーく」で誤表示によるトラブルも起きており、消費者団体からは「表示の信頼性を失わせないためにも、明確なルールが必要」との声が出ている。
「すかいらーく」に客から「メニューに記載されたカロリーの数値が間違っているのでは」との苦情が入ったのは、今年5月12日。
「すかいらーく」本部(東京都)の説明によると、宅配サービス「すかいらーくルームサービス」のメニューに「253キロ・カロリー」と記載されていた「山盛りポテトフライ」などを、都内の男性が注文。糖尿病のため食事制限をしていたというこの男性は、表示程度のカロリーの食品なら食べられると判断して注文したが、食後に体調が悪化したという。
指摘を受けた同本部は財団法人「日本食品分析センター」に調査を依頼。同センターが同じ条件で、ポテトフライを油で揚げて測定したところ、実測値は644・8キロ・カロリーだった。
同本部は当初、1882品の食品について100グラム当たりの栄養素やエネルギー量を示した旧科学技術庁の「日本食品標準成分表」をもとに、カロリーを計算し、347キロ・カロリーと算出。その後、「担当者が間違った」(広報)ため、同社の算定よりさらに低いカロリーがメニューに記載されてしまったという。
同本部では、全国約120店舗で配っている宅配サービス用のメニューを回収するとともに、同様の誤りがあった「すかいらーく」と、同店系列のファミリーレストラン「ガスト」の計約1180店でも、全面的にメニューを改訂。油ものなど一部については、外部に調査を委託して実測値に近い表示に改めた。
都の「栄養成分表示推進協議会」の調査では、近年、健康志向の高まりから、カロリー表示への要望は高まっており、メニューのカロリー表示に踏み切る飲食店が増えている。
外食産業の業界団体「日本フードサービス協会」(東京都港区)が昨年実施したアンケート調査では、会員企業112社のうち、半分近い50社がメニューにカロリーを表示していた。
(読売新聞) - 8月1日16時46分更新
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