2005年07月30日(土) 00時00分
下水道検査と称しリフォーム契約(朝日新聞・)
県、大津の会社を行政処分 認知症の高齢者らに不必要で高額な住宅リフォームの工事契約を迫る被害が深刻化する中、県は29日、大津市の住宅リフォーム会社に対し、特定商取引法に基づいて「勧誘目的を明らかにし、消費者が迷惑に思う行為をしない」などと指示する行政処分を下した。経済産業省によると、同法に基づく行政処分は、近畿2府4県では初めてという。
相談や問い合わせ125件 行政処分を受けたのは、大津市京町3丁目の有限会社「西日本基礎京滋」(瀬尾千秋社長)。県は同社に対して具体的な改善策の提出を求め、8月中旬までに国松善次知事あてに報告させるという。改善が見られない場合は、業務停止命令を出し、告発も検討するとしている。
県によると、県内の消費生活相談窓口に寄せられた同社についての相談や問い合わせが、02年度から〜05年5月末までで125件に達した。いずれも消費生活センターが間に入るなどした結果、同社がクーリングオフに応じたという。
これらの相談ケースの中から県が聞き取り調査したところ、今年4月の事例では、70代の男性が同社と床下に調湿材をまく内容の工事契約を96万円で結んでいたことがわかった。同社の従業員は「下水道の検査に来ました」と言って訪れ、男性が配管そうじを1万円で契約したところ、後日「床下がぬれている。このままでは家が傾く」などと言われ、調湿剤をまく契約を結んでしまったという。契約後、不審に思った男性が消費生活相談窓口に相談した。
県の事例調査では、同社との契約額は1件当たり349万2千円〜97万円に上ったという。
同社の堀家靖啓役員は「一部に不適切な行動があり、行き違いがあったのかもしれない。厳粛に受け止め、県の指示に従い、こうしたことのないよう改善を徹底したい」としている。
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国民生活センター(東京)ではホームページ上で、全国の自治体が業者に出した行政処分の内容と一部の業者名を公表している。同センターは「まずは安易に契約しないことが大切。手間と時間をかけて契約について検討してほしい。家族や身近にいる人が注意することで被害が未然に防げることも多い。不審に思ったらすぐに消費生活センターへ相談してほしい」と注意を呼びかけている。
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http://mytown.asahi.com/shiga/news02.asp?kiji=5485
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