悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年07月29日(金) 23時35分

「募金詐欺」で初の立件 難病支援名目、男を再逮捕産経新聞

「募金詐欺」で初の立件 難病支援名目、男を再逮捕

 難病支援を名目にした街頭募金について、大阪府警捜査2課は29日、通行人から計約2000万円をだまし取ったとして詐欺容疑で「NPO緊急支援グループ」主宰者の無職、横井清一容疑者(34)を再逮捕した。

 “偽募金”は被害者や金額の特定が困難で、府警によると詐欺容疑の適用は全国初。割り出した被害者11人の被害感情を不特定多数全体を代表するものととらえており、専門家によると、こうした解釈は刑法上異例という。府警は、集めた金は総額約4000万円に上るとみて使途を追及する。

 同容疑者は虚偽の求人広告でアルバイトを集めたとして、職業安定法違反容疑で逮捕、起訴されている。

 横井容疑者は「2000万円以上集めたのは事実だが、詐欺にならないと思う」と否認。逮捕前も「寄付金とアルバイト代にしか充てていない。自分は1銭も使っていない」と供述していた。

 調べでは、横井容疑者は昨年11月4日夜、大阪市中央区千日前の路上で、アルバイトの学生らに「難病の子供を救う募金に協力お願いします」などと連呼させ、30歳代の男性から約6000円をだまし取るなど、10月21日からの約2カ月間に大阪市、神戸市、京都市など各地の繁華街で不特定多数の通行人から約2000万円を詐取した疑い。

 支援ボランティアなど9団体に実際に約260万円を寄付したが、ほとんどは活動が問題化した後で、同課は言い逃れのための工作だったとみている。

 横井容疑者は毎日車で各地を回って「小銭ばかりやないか」と怒鳴りつけたり、募金箱を自宅に集めて紙幣だけ抜き出し、硬貨は側近の男女5人に両替させるなどしていたという。

≪刑法理論として勇断≫

 土本武司・白鴎大法科大学院教授(刑事法)の話「募金したすべての人を特定して全員から『だまされた』という供述を得ないまま、一部の被害者の供述だけで不特定多数の通行人の募金を含む総額約2000万円に詐欺罪を適用したことは、刑法理論としては勇断だ。裁判では2000万円全額について有罪とされるかどうかは分からない。だが検察官はまず2000万円全額について起訴し、後は公開の法廷で判断が下されるべきだ。司法の在り方として、国民に問題点が明らかにされるのが望ましい」(共同)

(07/29 23:35)

http://www.sankei.co.jp/news/050729/sha098.htm