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2005年07月29日(金) 15時32分

デジタル放送の「コピーワンス」が運用見直しへimpress Watch

 2004年4月からBSデジタル放送と地上デジタル放送に導入されている「コピーワンス」が見直されることとなった。29日に開催された総務省 情報通信審議会の中間答申で明らかにされたもので、今秋より検討を開始し、年内を目処に結論を出す予定。

 コピーワンスは、地上デジタル/BSデジタル放送の原則として全ての放送に、「1回だけ録画可能」の制御信号を加え、暗号化して送信するもの。コピーワンス信号を付加された番組は、対応メディアに“一回だけ”録画できる。そのため対応レコーダのHDDからDVDやBlu-ray Discなどへ“ムーブ“すると、HDDに記録したデータは、光ディスクに転送した後、HDD上から消去される。

 コピーワンスは、不法コピーの対策などを目的として2004年4月5日より本格導入されたが、「コピーはフリーではないか」、「ムーブ時にムーブが完了しないのに不具合が生じ、オリジナルが消去されてしまった」などの声がメーカーなどに寄せられている。審議会では、2011年のデジタル放送全面移行を推進するにあたり、「デジタル放送に対するネガティブな印象」を危惧する声が挙がっており、見直しの検討を開始するという。

 放送事業者では、「コピーワンスの現在の運用にこだわるものでなく、私的録画の範囲で、視聴者の利便性のためコピーワンジェネレーションの運用取り決めの見直しに対応する」としており、具体的な方策としては「ムーブが完全に行なわれてからオリジナルを消去」や、「私的利用の範囲に限定される家庭内IP伝送」などについて技術的に実現する方向で検討するという。

 また、機器メーカーでは、現状のコピー制御ルールでは、DVDにムーブするとSDカードなどのポータブル機器に対してムーブができなくなり、アナログ放送で可能であったことがデジタルでは不可能となるなど「デジタル放送に対するネガティブなイメージが形成される恐れがある」と警戒している。そのため、「利便性を損なうことが無いよう、技術の進歩に応じて制約を見直していくことが必要」という前提のもと、見直しを進める方針だ。
(impress Watch) - 7月29日15時32分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050729-00000010-imp-sci