2005年07月29日(金) 15時42分
KDDI パワードコムを傘下に 固定通信4位 東電と最終調整(産経新聞)
KDDIが、東京電力子会社で固定通信四位のパワードコム(東京)を来年一月をめどに吸収合併する方向で最終調整していることが二十九日、明らかになった。光ファイバー網を中心とした固定通信事業を強化したいKDDIと、通信事業をエネルギー事業に次ぐ柱に育成したい東電との思惑が一致。通信業界の巨人・NTTグループに対抗する有望勢力が誕生し、将来の覇権をめぐる競争が一層激化する。
KDDIは、東電などが保有するパワードコムの全株式を取得し、株式交換で東電に自社株を割り当てる見通し。
KDDIは携帯電話事業「au」が好調な半面、固定通信事業では苦戦が続き、平成十八年三月期は四百二十億円の営業赤字を予想している。大企業向けに強い固定通信専業のパワードコムを取り込むことで、総合通信事業者として収益基盤の安定化を狙う。東電本体が保有するNTTグループに次ぐ総延長九万六千キロの光ファイバー網の活用も検討する。
一方、携帯電話など無線通信分野を手がけていないことが弱点の東電も、携帯に強いKDDIとの連携で固定通信と携帯電話、ネット通信などを融合した総合サービスを提供したい思惑があるとみられる。
KDDIによるパワードコムの吸収合併が実現すれば、通信業界では昨年のソフトバンクによる日本テレコムの買収に続く大型再編となる。KDDI・東電連合、ソフトバンクグループの二大勢力がNTTグループを追撃する新たな構図が出来上がる。
(産経新聞) - 7月29日15時42分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050729-00000035-san-bus_all