2005年07月27日(水) 03時08分
「次々販売」業者が同行して定期解約、支払い代金に(読売新聞)
お年寄りが複数の業者と多額の契約を結ばされる「次々販売」で、水戸市の70歳代女性が、リフォーム業者にクーリングオフや支払い拒否を申し入れたところ、業者が女性と郵便局に同行し、定期貯金を解約して代金支払いに充てていたことが26日、わかった。女性の家族は、業者に損害賠償を求めて訴えることを検討している。
業者は定期貯金が支払いに充てられたことは認めているが、「自発的なもの」と話している。
業者は茨城県内に事務所があり、2001年から「屋根が危ない」と訪れるようになった。女性は今年6月までに屋根の修復、雨どい交換、シロアリ駆除など次々と約15件計約600万円の契約を結んだ。
同居する三男の話によると、一部契約については、相談した知人の勧めでクーリングオフを申し出たが、業者が工事を続行。内装工事で柱がむきだしのままだったことから、女性は三男と完工時の残額100万円の支払いを拒んだ。業者は今年6月、女性が一人で留守番中に、支払いを求めるようになった。
女性は「手元にお金がない」と断ると、業者が「じゃあ、郵便局に行きましょう」と女性を車に乗せ、自宅から離れた市内の郵便局に行った。女性はそこでも「残高が足りない」と拒んだが、業者は「じゃあ定期貯金を解約しましょう」と支払いを迫ったという。
定期貯金は近く満期を迎えるため、応対した局員が「解約はお勧めしません」と助言していた。
女性宅にはこの業者の前から別の訪問販売業者も訪れており、1枚1万円の桐(きり)の高級スノコ15枚を販売するなどしていた。三男は「母は業者を自宅の居間に入れ、何時間も談笑してしまう。お人よしで、きっぱり断れない性格。認知症(痴呆=ちほう)が診断で認められれば、業者に損害賠償を求めていきたい」と話している。
業者側は「定期貯金の解約は、女性の自発的な行為。クーリングオフについても、もう一度話し合って、『どうですか』と勧めただけで、最終的には女性が続行を決めた。三男とも十分に話し合った」としている。
(読売新聞) - 7月27日3時8分更新
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