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英国では、ロンドンを中心に最近十年で、急速に監視カメラが整備されるようになった。財団法人公共政策調査会の板橋功・第一研究室長は「英国では、プライバシーや人権も配慮するが、地域社会の安全をより重視すべきだという考え方が強まっている」と背景事情を話す。
一方、今回の事件で監視カメラがもたらした効果について、板橋氏は「捜査に大きな武器となった」とする一方、「テロを未然に防ぐことはできなかった。一般犯罪と違い、確信的なテロ犯はカメラの『目』など意識しない」と、限界を指摘している。
「監視カメラ社会」の著書がある江下雅之・目白大助教授(メディア論)は「日本では監視カメラのない場所での犯罪が増加しているとのデータもあり、設置や管理の費用対効果が薄れている。今回の事件によって、日本で『監視もやむなし』という風潮が広まるとすれば危険だ」と懸念している。
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東京の地下鉄では「監視」ではなく「防犯カメラ」と呼ばれる。設置状況はどうなっているのか。
東京メトロによると、都内の地下鉄の防犯カメラの数は地下鉄サリン事件(一九九五年)を契機に飛躍的に増加したという。事件前、数百台程度だった防犯カメラは現在、二千台超が設置され、さらに増強を検討している。事件などが発生した際には該当する地点の録画映像を解析するほか、警察から閲覧要請があれば応じるという。
同社広報課は「日本ではプライバシー保護の問題もあるので、大々的に防犯カメラの存在をアピールすることはできない。苦情もあるが、多くのお客さまには必要性を理解されている」と話す。
JR東日本は昨年三月スペイン・マドリードで起きた列車爆破テロ事件後の五月に「テロ対策と併せて構内犯罪の抑止のため」として、構内にあるカメラを四千五百台から五千台まで増強。すべてを常時稼働させて録画している。同社広報課は「カメラは(テロ以外の)犯罪抑止効果も期待できる」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20050713/eve_____kok_____002.shtml