2005年07月13日(水) 11時30分
インテルの独禁法違反問題、欧州に飛び火--各国で家宅捜索(CNET Japan)
欧州の規制当局は現地時間12日、Intelに対する独禁法違反捜査の一環として、同社と多数のPC関連企業の事業所を家宅捜索した。
欧州委員会(EC)と各国の規制当局関係者は同日早朝に、イタリアのミラノ、ドイツのミュンヘン、スペインのマドリード、英国スウィンドンにあるIntelの各事務所を一斉に捜索した。これは欧州委員会関係者が明らかにしたもので、Intel関係者も事実と認めている。このほか、コンピュータの製造/販売を行う多数の企業でも捜索が行われた。「一連の捜索は、現在進行中の捜査の枠組み内で実施された」(欧州委員会関係者)
Intelでは今回の捜査に全面的に協力しているという。
「われわれは、協力することを商慣習として常に心がけており、今回もそのようにしている」とIntelのChuck MulloyはCNET News.comに対して語った。「われわれの商慣習が公正かつ正当であることを確信している」(Mulloy)
英国の公正取引庁(Office of Fair Trading:OFT)は、Intelのスウィンドン事業所に対する「立ち入り捜査」で欧州の規制当局を支援したという。
「これは本来、欧州委員会の扱う問題だ」とOFTの広報担当者は述べている。同氏によると今回の捜索はEC条約第81条に基づき実施されたもののようだという。第81条では、EU内での競争を阻害する価格操作などの行為を禁じている。Intel事業所からの押収品の有無については、この広報担当者はコメントを避けた。
今回の捜索のわずか数週間前には、ライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)がIntelを提訴していた。Intelは、脅し戦略と威圧により、コンピュータメーカーをはじめとする各社に対し自社のチップを採用するよう迫ったというのがAMDの提訴理由だった。これに対し、IntelのCEO、Paul Otelliniは、自社が裁判に勝訴するとの見通しを示している。
欧州の捜索では、ほかにPCメーカー数社と小売業者が取り調べを受けたとされている。
Intelチップだけを採用しているDellは、英国ブラックネルの本社が12日に欧州委員会の競争調査部関係者の捜索を受けたと述べているが、ただし捜索の内容や理由については詳細を明らかにしなかった。
また、Hewlett-Packard(HP)の欧州関係者は、同社の事業所が欧州委員会関係者の捜索を受けなかったと述べている。なお、IBM関係者からのコメントは得られていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。
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