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2005年07月09日(土) 17時50分

不審契約:悪質リフォームの実態/番外編 地域の「目」が予防策 /宮崎毎日新聞

 ◇契約優先、説明怠る業者
 23件、約1500万円の契約を結んでいた小林市の女性(76)の被害。取材に対し業者、営業マンは「女性に多額の債務があるとは知らなかった。きちんと説明したし、無理な契約はしていない」と言う。それなら、なぜ女性は契約内容を把握していないのか。
 専門的な知識を持つ営業マンに比べて、飛び込みで訪問を受ける方は不利な立場にある。だからこそ、特定商取引法は、営業マンに訪問目的、氏名、書面の提示などを細かく義務づけ、契約の説明をするよう定めている。女性の元に来た営業マンは「まず契約ありき」の姿勢で、説明を怠ったのではないのか。疑問がわく。
 予防策として何が有効なのか。小林市福祉事務所は、社会福祉協議会で運用する「あんしんサポート」を挙げた。市町村の「生活支援員」が、年金の受け取り代行、消費契約手続きの補助、印鑑や通帳の保管をしてくれる。1時間800円程度の費用はかかるが、社協と利用者が契約を結ぶだけでよく、成年後見制度よりも簡単な手続きで始められるという。
 取材の原動力になったのは「今まで必死に生きてきた人が、なぜ高齢になった今も苦しまなければならないのか」という憤りだった。誰しもいずれは年を取る。被害を人ごとと考えるのではなく、社会、地域で監視する「目」が最も有効な予防策だと思う。

7月9日朝刊
(毎日新聞) - 7月9日17時50分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050709-00000245-mailo-l45