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2005年07月09日(土) 23時20分

<愛知旧尾西市>パソコン紛失報告せず 市民700人の名簿毎日新聞

 今年4月1日に愛知県一宮市に編入合併した同県旧尾西市で3月、市民700人以上の名簿などが保存されたノートパソコン1台が、合併に伴う庁舎移転時に紛失し、上司に対しても3カ月以上報告されていなかったことが9日、分かった。ネットへの情報流出を指摘する投書が各報道機関に寄せられて発覚した。旧一宮市でも今年6月、小学校の児童名簿の流出が発覚したばかり。
 一宮市は同日、緊急会見した。同市によると、紛失したのは旧尾西市秘書広報課長(47)の公用パソコン。市制50周年記念の表彰者277人と閉市式の感謝状贈呈候補者306人の住所、氏名、市の「提案箱」に寄せられた128件の氏名や内容などのほか、市政功労者53人分の名簿も保存されていた可能性があるという。
 同課長が3月22日、引っ越し作業中にパソコンが行方不明になったことに気付いたが「他の荷物に紛れ込んだのかもしれない」と考え、そのままにしたという。パソコンの台数確認を終えた6月中旬、紛失の事実が判明したが、課長は市の規定で定めた情報セキュリティー管理者への報告をせずに放置した。
 9日に報道各社から問い合わせを受け、市側も紛失の事実を確認した。市の調査では流出した名簿はネット上で確認されていないが、報道機関に届いた投書には、ファイル交換ソフトで名簿が流出していると指摘し、複数の名簿名が印刷されていた。
 同市の山口善司助役は同日会見し、「(9日まで)紛失の事実は知らなかった。6月に児童の名簿の流出が発覚した際に指示、通知を出したにもかかわらず、非常に残念」と述べたが、市民への謝罪や警察への盗難届の提出については「データ流出の確認が出来ていないため、今後の対応になる」と語るにとどまった。同課長の処分については、事実関係を調べてから検討するという。【桜井平】
(毎日新聞) - 7月9日23時20分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050709-00000128-mai-soci