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2005年07月08日(金) 00時00分

悪質リフォーム、5千円の掃除契機に接近朝日新聞・

リフォーム工事をめぐる違法契約事件で、船橋署に特定商取引法違反の疑いで逮捕された男2人が、5千円で簡単な掃除を行ったことをきっかけに、被害者の女性に対し、次々と高額なリフォームを持ちかけていったことがわかった。この女性宅には、約1年前から別の業者も訪れ、高額なリフォームをもちかけていたといい、県警が事件の全容解明を進めている。(長富由希子)
 
この事件では、船橋市内で一人暮らしをしていた女性(79)に対し、「補強が必要だ」などと偽り、契約書類を交付せずに耐震工事などの契約を結ばせた疑いで、柏市の建築作業員佐藤栄次(26)、同、田浦正文(26)の両容疑者が逮捕された。2人はこの女性から計135万円を集めていたとされる。
 調べでは、2人が最初に女性宅を訪れたのは、昨年8月上旬。「水道が汚れて、水が飲めなくなってしまう」とかたり、高圧ホースで庭にある排水溝を洗い流した。2人がこの際に請求し、受け取った代金は5千円だけだったという。
 しかし、2人は1週間後に再び女性宅を訪れると、「古い家だから地震が来たらつぶれてしまう。順番に色々と直していかないと駄目だ」と言い、耐震工事や屋根の補修などを行い始めた。

 県警などによると、2人は頻繁に出入りするようになり、「耐震工事と屋根の補修代」として、まず95万円を請求。女性が自らの葬式費用として貯金していた金から支払うと、さらに「手すりの取り付け代」などと称して、60万円を請求した。2カ月に1回、年金が支給される15日以降を狙って、10万円ずつ集金に来たという。
 県警によると、2人は女性に総額155万円の契約を結ばせたが、実際の工事内容は、人件費を入れても10万円程度だったという。

 2人は、連絡先を明かさないなどの違法契約を結ばせて集金を続けていた。女性によると、2人は「近くまで仕事で来たので、今から遊びに行ってもいいですか」と電話しては、女性の肩をもみながら、話し相手になっていた。「自分の子どもだ」と言って、写真を見せたこともあったといい、女性は「すっかり信用してしまった」と話す。
 この女性は昨夏以降、別の業者から約60万円で警備システムを購入させられたほか、大手電力会社の社員を装った若い男女から「ブレーカーが汚れており、危ない」と言われ、約20万円の修繕費を請求されたこともあったという。
 逮捕された佐藤容疑者は、この女性宅を狙った理由について、「前に勤めていたリフォーム会社で高齢者の一人暮らしだと聞いた」と供述しているという。
(7/8)

http://mytown.asahi.com/chiba/news02.asp?kiji=5353