2005年07月06日(水) 00時00分
悪質リフォーム 被害深刻(朝日新聞・)
悪質なリフォームの訪問販売業者が各地で問題となるなか、弁護士や建築士らでつくる「広島欠陥住宅研究会」(広島市)が1日に実施した「欠陥住宅・リフォーム110番」に寄せられた相談40件のうち、リフォーム関係が28件を占めた。「内容が悪質化している。契約内容などに疑問を感じたらすぐに相談を」と同会所属の専門家は警鐘を鳴らしている。(宮崎園子)
■半数が高齢者
同会によると、リフォームに関する計28件の相談のうち高齢者からの相談は半数の14件。うち3件は認知症がある人で、工事内容の内訳は床下換気・調湿剤が13件と最も多く、ほかに耐震補強が8件、害虫駆除が1件だった。
「床下の支えが弱くなっている。地震がきたら落ちてしまう」「(写真を見せて)カビが生えている」——。こんな勧誘方法でしつこく誘い、認知症の女性が次々とリフォーム契約をさせられ自宅が競売にかけられたり、契約書類のない例もあった。
■業者が「マーキング」
リフォームがらみの28件のうち5件は、下水や流し台の掃除をきっかけに勧誘が行われたとみられるという。「6社が次々と12件の工事を行い、総額で合計400万円ほどになった」という相談もあった。なぜ複数の業者がひとところに集中して訪問販売をするのか。同会所属の板根富規弁護士は、悪質リフォームに関する様々な訴訟を手がけてきた経験から「ターゲットが業者からマーキングされている」と話す。
軒先にシロアリ駆除の会社のシールが張られていたり、屋根にソーラーパネルが取り付けられている家などが狙われる傾向があるという。また、業者間で顧客情報が共有されている可能性もあるという。
■親切心装う?
適正価格がわかりにくいリフォームの特性に乗じて急増していると言われる悪質リフォーム。業況の不振、歩合の割合が高い販売員の給料——など背景には様々な要因があると見られる。
「親切にしているのに、なぜ契約しないんですか」。寄せられた相談の中には、そんなことを言われた高齢者もいたという。しつこい勧誘に根負けして契約を結んでしまう、そんなケースが多いという。板根弁護士は「独り暮らしのお年寄りや知的障害のある人たちを狙い、優しい言葉をかけて接し、親切心を装う。不要なものははっきり断り、契約後でも疑問があったらすぐに相談するようにしてほしい」と話す。
広島欠陥住宅研究会は「悪質リフォーム」に関する相談を風呂橋法律事務所(082・502・1250)内の同会事務局で受け付けている。
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http://mytown.asahi.com/hiroshima/news02.asp?kiji=4334
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