2005年07月05日(火) 12時08分
<明治安田生命>金子社長が引責辞任へ 違法営業活動で(毎日新聞)
明治安田生命保険の金子亮太郎社長は5日午前、都内で開かれた契約者の代表が参加する総代会(株式会社の株主総会に相当)で、一連の違法営業問題の責任を取って辞任する意向を表明した。同社は、本来支払うべき保険金を支払わない保険業法違反の営業活動で今年2月、金融庁から業務停止命令を受けたが、同庁が現在実施中の金融検査で、新たな違法営業の事実が判明。経営責任を明確にするため、辞任は避けられないと判断した。金子社長は15日に予定されていた生命保険協会会長の就任も辞退する。
160人が出席した5日の総代会で、金子社長は違法営業で同社の信用を傷つけたことを契約者に陳謝。社内調査の結果、新たな違法営業は04年度だけで少なくても90件余りに上ったと説明し、01年度までさかのぼって調査する方針を示した。
その上で、金子社長は「経営トップの進退も含め、責任を明らかにする」と辞意を表明した。同社長は「(保険金の)不払い調査は10月までかかる」としており、社内調査や不払いへの対応にめどをつけて辞任するのは年末になる見通し。
明治安田は金融庁の行政処分を受け、今年3月に担当専務ら幹部2人の事実上の解任など役職員計69人の処分を発表。金子社長は役員報酬を4月から半年間100%カットしたが辞任は強く否定し、大手生保4社が輪番制で務めている生保協会長にも予定通り就任する意向を示していた。
しかし、違法営業の影響で保険の新規契約が大きく落ち込み、一般の保険契約者だけでなく社内の営業現場などからも、人心一新を図るため金子社長の辞任を求める声が急速に広がっていた。
さらに、新たな違法営業が発覚したことで、金融庁は検査終了後に業務停止命令などの行政処分に踏み切る見通しになり、金子社長も辞任を決断したとみられる。
(毎日新聞) - 7月5日12時8分更新
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