2005年07月05日(火) 14時03分

明治安田生命の金子社長、違法契約で引責辞任へ（読売新聞）

　保険業法に違反した違法な営業で行政処分を受けていた明治安田生命保険が、これまで発覚したものとは別に、違法営業で獲得したとみられる契約を９０件余り結んでいたことが５日、明らかになった。

　金子亮太郎社長（６４）は、同日に都内で開かれた総代会で「社内調査がすべて終了した時点で、経営トップの退任を含め責任を明確化したい」と述べ、今秋に辞任する意向を表明した。

　今月１５日に予定していた生命保険協会長への就任も辞退する。

　後任は、旧安田生命保険出身の山本芳夫専務（５８）が有力となっている。

　新たな違法性の高い契約は、同社が２００４年度に保険金が支払われなかった契約のうち、１５００件を抜き取り調査した結果、発覚した。抜き取り調査した契約の６％余りで違法契約の疑いがあったことから、同社は２００１年度以降の不払い契約についてもさらに調査を続ける。金融庁も４月から同社の検査に入っており、違法契約数が今後、さらに増える可能性もある。

　保険契約の際には契約者は、過去の病歴や健康状態などを保険会社に知らせる告知義務があり、告知をしないと保険会社は支払いを拒否できる。同社は告知義務があることを契約者に十分説明せずに保険契約を獲得し、後に契約者が保険金支払いを求めても告知義務違反を理由に支払いを拒むなどしていた。

　金子社長は１９６５年に旧明治生命に入社し、９８年に同社社長に就任した。さらに、２００４年１月に旧安田生命保険との合併で明治安田生命の社長に就任していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050705-00000004-yom-bus_all