2005年07月05日(火) 15時16分
明治安田 社長が辞任へ 新たな違法営業で引責 総代会(産経新聞)
明治安田生命保険は五日午前、東京・丸の内で総代会を開き、金子亮太郎社長が違法な保険販売について陳謝するとともに、責任をとって辞任する意向を正式表明した。明治安田によると、支払うべき保険金が支払われていなかったケースが新たに九十件判明。金子社長はこうした状況を踏まえて、辞任は避けられないと判断した。
総代会は株式会社の株主総会にあたる最高意思決定機関。金子社長は、保険契約者の代表である総代に改めて不祥事の経緯などを説明し、「多大なご迷惑とご心配をおかけし、社会の信頼を損ねたことを深く反省し、心よりおわび申し上げる」と謝罪。そのうえで、「経営トップの退任も含め、責任を明確化したい」と辞意表明した。
実際の辞任時期は、不祥事の再発防止に一定のめどをつけた後の十月以降になるとみられる。
明治安田は今年二月、平成十一年四月から十六年九月に、違法な保険勧誘行為や保険金の不当な未払いなどがあったことが発覚。金融庁から個人保険部門の二週間の業務停止命令という、異例の重い行政処分を受けた。
金子社長は十年四月、明治安田の前身のひとつである旧明治生命保険の社長に就任し、十六年一月の明治安田誕生後も社長を務めてきた。
二月の行政処分を受け、明治安田は業務改善計画を金融庁に提出したが、その際には発覚していなかった違法行為が九十件に上り、関係者によると過去四年間の未払いは約千件に達するという。
金子社長は十五日付で生命保険協会の会長就任が内定しており、業界団体のトップ人事にも影響を与えることは必至だ。
◇
この日は明治安田のほかにも、日本生命保険や住友生命保険など相互会社形式をとる大手生保五社がそれぞれ総代会を開いた。
■明治安田生命保険 明治13年創業の安田生命保険と、同14年創業の明治生命保険が平成16年1月に合併して発足した。今年3月末の保有契約高は277兆2184億円、総資産は25兆1933億円、保険料等収入は3兆435億円で、日本生命、第一生命に次ぐ業界3位。従業員数は4万5302人。旧安田が芙蓉グループ、旧明治は三菱グループに属していたことから、旧財閥の枠を超えた合併として注目された。
(産経新聞) - 7月5日15時16分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050705-00000023-san-bus_all