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2005年07月05日(火) 02時53分

新周波数帯割り当て 携帯戦国時代へ、「意見書」で牽制産経新聞

参入組、10メガヘルツ幅要求/既存組、相互接続に反論
 携帯電話の新規参入をめぐり、総務省が示した新規周波数帯割り当ての方針案に対する意見募集が四日締め切られた。新規参入を目指すソフトバンクとイー・アクセスが一・七ギガヘルツ帯の割り当て周波数の増幅を要請したほか、方針案が想定していなかったPHS最大手ウィルコムが新たに二・〇ギガヘルツ帯で正式に名乗りを上げた。総務省は意見書をもとに八月にも方針を決定したうえ、年内にも新規事業者を選定。来年には十二年ぶりに携帯の新規参入者が誕生する。 
 総務省は六月に示した方針案で一・七ギガ帯に新規事業者を最大二社、二・〇ギガ帯に新規一社を優先的に割り当てる考えを示した。これに対し、一・七ギガ帯を希望するソフトバンクとイー・アクセスは、方針案で当初の割り当て幅が五メガヘルツ幅とされたことに不満を表明。
 ソフトバンクBBの宮川潤一常務は「五メガヘルツ幅では少ない。割り当てが少ないと利用効率が悪く、高速データ通信の提供が難しい」と指摘。また、イー・アクセスも「十メガヘルツ幅は欲しい」とした上で、追加割り当てについても一メガヘルツ当たりの加入者数を五十万人から三十万人に減らすよう要請。既存事業者とのイコールフッティング(競争条件の平等化)を求める意見が相次いだ。
 一方、NTTドコモとKDDIは新規事業者が既存事業者との相互接続を前提に全国展開を検討していることに、「自社で設備を整えて競争すべきだ」と反論。新規事業者が多額の設備投資に伴うリスクを負担し、同じ条件で競争するよう求めた。また、ボーダフォンは「新規一社が望ましい」として過剰な競争の回避を訴えた。
 ウィルコムは、二・〇ギガ帯で新たに割り当てを希望し、現行比十倍以上の高速化した次世代PHSを検討する。ただ、方針案がPHSを前提としていないため、総務省幹部などへのロビー活動を続け、「PHSも枠組みに追加してもらう」(ウィルコム幹部)ことを目指している。
 周波数帯の割り当てを有利に進めたい各社の思惑が交錯しているが、「総務省の心証を害することはしたくない」(ソフトバンク)のも本音だ。方針決定まで約一カ月間、さまざまな駆け引きが展開されそうだ。
(産経新聞) - 7月5日2時53分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050705-00000016-san-bus_all