2005年06月30日(木) 11時36分
<悪徳リフォーム>元営業社員ら4人逮捕 被害は6000人(毎日新聞)
全国の高齢者らを狙って不要な工事契約をさせるリフォーム詐欺事件で、警視庁生活経済課と高輪署などは30日、住宅リフォーム会社「サムニンイースト」(現・リブロ、東京都千代田区)元地域担当部長、鎌田悟容疑者(28)=大田区西蒲田=ら4人を詐欺と特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで逮捕した。別の元部長(26)についても同容疑で逮捕状を取り、行方を追っている。同課は同日、同社や親会社「サムニンジャパン」(千代田区)、工事を施工した中堅リフォーム会社「エム・エイチ・エス」(中央区)などを家宅捜索。営業担当が代わる代わる訪問するなどして、全国約5400人から約115億円をだまし取ったとみられるサムニングループの組織的なリフォーム詐欺商法について、同課で全容解明を進める。
ほかに逮捕されたのは▽江戸川区南葛西、元同社地域担当部長、橋壁浩二(29)▽墨田区江東橋、元同社地域担当課長、村内崇策(25)▽荒川区南千住、同グループの「サムニンウエスト」(昨年5月に休業、中央区)元地域担当部長、桑原和寛(26)——の3容疑者。
調べでは、鎌田容疑者らは昨年2月中旬、茨城県土浦市の公務員(40)宅を訪れ、「家の重さに基礎のコンクリートが耐えられず、小さなひびが数カ所入っている。このまま放っておけば大変な事になってしまう」などとうそを言い、床下改修工事を契約、工事代金145万円をだまし取った疑い。埼玉県越谷市の無職の男性(73)を「屋根のすき間から雨が吹き込んでいる」とだますなど、計4人から総額約266万円を詐取していた。4容疑者は「うそは言っていない」「客のことはよく覚えていない」などと容疑を否認している。
同グループは、サムニンジャパンの100%子会社のサムニンイーストとサムニンウエストがリフォーム工事の受注をしていた。当初は子会社2社が国内を分割して営業し、サムニンジャパンが統括。狙いを付けた高齢者宅には、グループ内の別会社の営業担当が次々と訪れることもあった。サムニンジャパンは、03年5月から家宅捜索直前の昨年11月までエム・エイチ・エスの100%子会社で、工事施工はエム・エイチ・エスが一手に請け負っていた。
国民生活センターによると、全国の消費生活センターには02年以降、「サムニンイースト」に対する苦情や相談が266件寄せられている。【合田月美】
◇ことば…特定商取引法
旧訪問販売法で、正式名称は「特定商取引に関する法律」。訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖取引販売などに関する消費者保護のルールを定めている。訪問販売業者に対しては、勧誘の際の名前や目的の明示、申し込みや売買契約時に内容を記した書面の交付などを義務付け、価格やサービスの提供時期などについて虚偽を告げることを禁じている。行政処分には、業務改善などの「指示」と「業務停止命令」がある。
(毎日新聞) - 6月30日11時36分更新
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