2005年06月25日(土) 00時00分
架空請求に新手口続々(朝日新聞・)
架空請求、不当請求の被害が後を絶たない。県消費生活センター(熊本市)によると、相談はインターネットの利用料督促が中心。だが、請求名目などを次々とひねり出し、新たなやり方が手を替え品を替え登場しているという。請求を無視すると差し押さえを受けるケースもあり、センターは「不審な請求は速やかに相談を」と呼びかけている。
センターに昨年度に寄せられた相談件数は1万6864件で、このうち架空請求に関する相談は8953件と、半数を占めた。今年度に入ってからも1日平均で30〜40件の電話相談があり、沈静化の気配はない。
松岡俊秀所長によると、若い男性あてにインターネットのアダルトサイトや、出会い系サイトの利用料を不当に請求する例が目立つ。
また、昨年度から、40〜60代の女性を狙い、「総合消費料金」などと商品を特定しにくいあいまいな名目で請求するケースも増え、架空請求相談の約1割を占めた。
センターがこの半年間にホームページなどで公表した例は、(1)法務局をかたり総合消費料金を請求する(2)公証人役場の公印を押し、請求の正当性を装う(3)死亡した親族の借金返済を迫る、など。
だまして金を振り込ませても、金融機関が口座を凍結すれば受け取ることが難しくなる。このため、「電信為替居宅払い」という郵便局の送金システムを指定するケースも出てきた。
業者が簡裁にアダルトサイトの利用料などの「支払督促」を申し立てた例も。身に覚えがなくても異議申し立てをしなければ債務を認めることになり、差し押さえなどの強制執行を受ける恐れがあるという。
昨年10〜11月に5件の相談があったが、いずれも異議申し立てをすると請求は取り下げられるなどして、強制執行は避けられたという。
架空・不当請求を見分けるには、ポイントがある。身に覚えがない請求や請求内容がはっきりしない、連絡期限まで2、3日しかない——。こうしたケースは要注意だ。
センターへの電話相談は096・354・4835へ。
【架空請求の事例】
●死亡した親族の借金請求 数年前に死亡した人の妻らに「債務を当社へ返済しないまま亡くなったため、返済を協議したい」と虚偽の「通知」と「示談書」が福岡県の業者から郵送されてきた。
●公証人役場の「確定日付」悪用 熊本市内の男性に有料サイトの利用料約8万円を払うよう求める催告通知が届いた。日付を確定するため公証人が押印する公印が押されていた。内容すべてが公に認証されたと勘違いさせる狙いとみられ、「公証人役場において認証を受けた公的な債権証書です」という偽のゴム印も押されていた。
●複合会員サービス契約者を対象 旅行や電気製品の購入が割引になる「複合会員サービス」の契約をした消費者に、個人情報を取得した別業者から「連絡がない場合は契約不履行になる」と電話連絡を求めるはがきが届いた。解約料名目でカネをだまし取る狙いとみられる。
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http://mytown.asahi.com/kumamoto/news02.asp?kiji=4579
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