悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年06月21日(火) 03時11分

<悪質訪問販売>被害者「HP公表知らず契約」 周知は困難毎日新聞

 都道府県が悪質な訪問販売業者などの名前を公表して改善を指示できる「特定商取引法」だが、多くの自治体が、ホームページ(HP)などによる現状の公表方法を、被害防止対策としては不十分と考えていることが、毎日新聞の調査で分かった。高齢者らへの周知徹底が困難としており、被害者は「行政処分を知っていれば契約しなかった」と訴えている。
 4件の改善指示を出した神奈川県の消費生活課は、該当業者を記者会見とHPで公表するとともに、市町村の担当窓口や社会福祉協議会、生活協同組合に知らせている。しかし、高齢者への広報は不十分と考え、今年から高齢者にきめ細かい注意を呼び掛けるNPOの募集を始めた。担当者は「団体のネットワークを生かしてもらうのが狙い」と話す。
 記者会見とHPで公表している埼玉県の担当者も「十分と思っていない。高齢者にどう伝えるか検討中」。福岡県も「県民一人一人にどのように情報を伝えたらよいかは悩みの種」という。
 「処分を知っていれば、別の業者と追加契約はしなかった」。そう嘆くのは、福島県いわき市の無職女性(88)だ。長男(53)と2人暮らしで、03年春に防虫網を販売する業者の訪問を受け、契約を交わした。業者はサービス名目で床下も点検し、湿気対策で換気扇の設置を勧めた。女性は換気扇16台など159万円分を購入した。
 業者はその後、東京都から改善指示を受けたが、パソコンを使わない女性はHPなどによる公表も知らず、翌年、別の業者とも床下の基礎部分の補修名目で計282万円の工事契約を結んだ。女性が支払いに困り、生命保険の解約を茨城県に住む長女に相談したことから、一部をクーリングオフできたという。
 長女は最初の被害の後に、地元の消費生活センターに問い合わせたが、契約したのが東京都から改善指示の出ている業者であることは知らされなかったという。
 全国で最も多い31件の指示実績がある東京都の担当者は「各自治体が処分した業者名などを、一覧できるシステムを作る必要がある。高齢者らが被害相談を容易にできる環境を作ることも重要だ」と話している。【須山勉】
(毎日新聞) - 6月21日3時11分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050621-00000017-mai-soci