悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年06月19日(日) 03時00分

架空請求詐欺:リーダー・清水容疑者、「表の顔」は社長毎日新聞

 架空請求詐欺事件に絡み、行方不明になっていた男性4人とみられる遺体が18日、茨城県小川町の山林で見つかった。殺人、死体遺棄容疑で捜査を始めた千葉県警は、詐欺グループを率いていた清水大志容疑者(26)=既に詐欺容疑で逮捕=が一連の事件に関与していたとみて今後、身柄を徳島から千葉に移して追及する。清水容疑者はグループのリーダーという「裏の顔」と、コンサルタント会社「社長」の「表の顔」も持っていた。会社は2年前に設立され、一時、BSデジタル放送番組のスポンサーにもなっていた。

 清水容疑者が社長を務めた会社の事務所は東京都中央区のビル6階にあり、03年5月に設立。ホームページには「広告」「飲食事業」などの業務が紹介され、「総合的なコンサルティングサービスを提供する」と記し、取締役には架空請求の詐欺罪で起訴された幹部2人も名を連ねていた。

 現在、社長を務めている男性は知人に清水容疑者を紹介され、昨夏から会社を手伝うようになった。清水容疑者について「身だしなみもきちんとした青年」との印象を受け、「広告に興味があるので手伝ってほしい」と頼まれたという。

 清水容疑者の会社は昨年10月、BSデジタル放送で、ファッションをテーマにした30分のトーク番組のスポンサーになった。スポンサー料は前払いされ、番組では「手掛けているうどん店を全国展開したい」と、うどん店のCMも流した。

 清水容疑者はこうした「表の顔」のほか、東京都新宿区の事務所を拠点に03年11月ごろから詐欺の「裏稼業」も開始。架空の「電子消費料金払い」を要求するはがきを送りつけ、電話で言葉巧みに金を振り込ませるなどしていた。

 グループは分業化され、「電話責任者」「現金回収役」が1日の詐取金の5%▽「電話係」は同2%▽現金を引き出す「出し子」は1日2万〜2万5000円などと報酬を決めていた。詐取金の10%を「専務」の男が受け取り、残りが清水容疑者の取り分だった。調べでは、約90の振り込み用預金口座が確認され、約350人に対する被害総額は約1億7000万円に上り、口座開設には暴力団組員らもかかわっていたらしい。

 詐欺グループは04年11月に摘発され始め、翌12月、清水容疑者はコンサル会社の社長を退任。今年3月にはBS放送の番組の打ち切りを申し入れた。【神澤龍二・山本太一】

 ◇「住民でもあまり通らない場所」 遺体発見現場

 4人の遺体が見つかった現場は、山林の一角にある空き地で、地面から約30センチの高さまで土が盛られていた。千葉県警の捜査員は、18日早朝から重機などを使って遺体の捜索を開始し、同日午後5時半ごろに作業を終えた。近所の無職男性(73)によると、現場は事件があった昨年10月ごろまで、産業廃棄物が大量に投棄されており、その後、産廃は片づけられ、残土が運び込まれたという。近所の主婦(67)は「現場近くは、住民でもあまり通らない場所。よほど、この場所を知っている人でないと見つけることはできない」と話し、別の男性(75)は「静かな田舎でこんなことが起こるとは驚きです」と顔をしかめていた。【三木幸治】

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050619k0000m040099000c.html