2005年06月18日(土) 16時36分
融資保証金詐欺:県内で激増 県警など、注意呼び掛け /新潟(毎日新聞)
ファクスなどで架空の融資話を持ちかけ、保証金名目で金をだましとる「融資保証金詐欺」の被害が県内で増えている。資金繰りに困った人の心理をついた振り込め詐欺の一種で、被害総額は昨年同期比の約2倍。県警と県消費生活センターは「甘い話に乗らないで」と注意を呼びかけている。【前谷宏】
融資保証金詐欺の一般的な手口は、まずファクスやダイレクトメールなどで「低金利、無担保」など好条件の融資話を持ちかける。記載された番号に電話すると「事前に保証金が必要。融資金を返済すれば、返還する」と言って、指定した口座に現金を振り込ませる。一度振り込みを確認すると、さらに「登録料」「保険料」などの名目で金を請求し、最後には電話が不通になる。
県警捜査2課が今年1〜5月に認知した融資保証金詐欺の被害は115件で、前年同期より56件も増えた。振り込め詐欺全体(216件)に占める割合も昨年同期の27%から約5割にまで拡大した。被害総額も前年同期より3380万円多い6210万円に上っている。
一方、1〜5月の県内の振り込め詐欺全体の被害額は1億9240万円で同3125万円の減。中でも親族を名乗って交通事故の示談金などを振り込ませる「おれおれ詐欺」の被害は41件9880万円で、前年同期に比べ66件・5030万円も減った。手口が認識され、警戒感が広がった結果とみられる。
これに対し、融資保証金詐欺は有利な融資条件を求める被害者の側に電話させるため、相手の話を信じてしまいやすい。県消費生活センターの石栗綾子所長は「被害者は資金繰りに切羽詰まった人で、周囲に相談もしづらい」と指摘する。
実在する業者の名前を使ったり、携帯電話ではなくフリーダイヤルの番号を記載するなどして真実味を持たせるケースもあった。同センターに相談が寄せられた事例の中には、500万円の融資を申し込むのに100万円以上を振り込んでしまった被害者もいた。
石栗所長は「事前に金を振り込ませる貸金業者などいない。振り込む前に落ち着いてセンターや警察に相談してほしい」と呼びかけている。
6月18日朝刊
(毎日新聞) - 6月18日16時36分更新
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