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2005年06月16日(木) 03時03分

NPOが架空事業、元代表ら4人逮捕…被害15億円読売新聞

 東京都新宿区のNPO法人「やまびこ会」(今年3月に認証取り消し)が、架空の焼却炉販売事業への出資を募り、高齢者などから約1300万円をだまし取っていた疑いが強まったとして、警視庁と広島県警は15日、同会元代表理事の松井明(62)、元理事の森田政明(61)ら4容疑者を詐欺容疑で逮捕した。

 さらに、同容疑で数人の逮捕状を取っており、行方が確認でき次第、逮捕する。

 被害者は全国で約800人、被害総額は約15億円に上るとみられ、警視庁と同県警で事件の全容解明を急ぐ。

 調べなどによると、松井容疑者らは2002〜03年、「やまびこ会関連のエコ・インシナレーション・テクノロジー社が、環境に配慮した焼却炉『やまびこボイラー』を大量生産し、米軍基地などに販売する事業を始める」などと書いたチラシを大量に配布し、架空事業への出資者を募集。問い合わせてきた高齢者らに対して、「エコ社に120万円を出資すれば半年後に250万円を振り込む。さらに、10年間にわたって毎月6万円の報酬を支給する」などとして、数人から計約1300万円をだまし取った疑いが持たれている。

 関係者によると、やまびこ会は1999年9月、聴覚障害者への福祉・教育活動や、生活情報の提供などを目的として、旧経済企画庁(現内閣府)からNPO法人の認証を受けた。17都道県に事務所を置き、インターネットのホームページなどでも、有名女性歌手(故人)を初代会長として紹介するなどして、出資者を募集していた。しかし、焼却炉販売事業を巡って、報酬の支払いが滞ったことなどから、内閣府などに苦情や相談が相次いでいた。

 このため、内閣府が03年12月、同会に説明を求めたところ、松井容疑者から「大半の会員(出資者)には(報酬などを)支払っている。一部は(支払いを)待ってもらっている」などと文書で回答があった。

 しかし、内閣府は今年3月、〈1〉特定非営利活動を目的とした団体とはいえない〈2〉定款で定められた以外のキノコ類販売事業や絵画オークション事業を展開している——ことなどを理由に認証を取り消していた。
(読売新聞) - 6月16日3時3分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050616-00000001-yom-soci