2005年06月16日(木) 15時50分
無届け工事、古墳全壊 ドコモ関西、携帯用鉄塔を新設 池田(産経新聞)
大阪府池田市古江町の山林にある「古江古墳」が、NTTドコモ関西(大阪市)の携帯電話用鉄塔新設工事でほぼ全壊していたことが十六日、分かった。同社は文化財保護法と府の風致条例に基づく届け出をしていなかった。残された部分について市教委は近く調査に入る。
古江古墳は直径約十三メートル、高さ約一・二メートルの円墳。六世紀のものとみられ、府教委によれば、同時期の円墳はこの地域には少なくとも数十基あるという。
古墳はこれまで詳細な調査はされておらず、史跡などに指定はされていないが、文化財保護法に基づく「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当し、工事の際には届け出が必要。また、環境保護と砂防のため府風致条例と砂防法に基づく届け出も必要だった。
同社はこの地に高さ約一四・八メートルの鉄塔建設を計画。この際、文化財保護法に該当するかの確認を怠った。
下請け業者が昨年九月に市と府池田土木事務所と打ち合わせした際、市などは文化財保護法に関しては触れなかった。一方、風致条例と砂防法に基づく届け出の必要性は指摘したが、同社は風致条例の届け出も怠ったまま四月下旬に工事を始めていた。
五月下旬に住民の指摘を受けたときには、古墳はすでに大部分が掘り起こされ、周濠の一部が残るだけ。原状回復は難しいという。
NTTドコモ関西広報宣伝部は「届け出を怠り、行政や関係者にご迷惑をかけ、大変申し訳ない」とコメントしている。
(産経新聞) - 6月16日15時50分更新
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