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■羞恥心につけ込む
五月十二日午前十一時ごろ、警視庁巡査を名乗る男から東京都江東区の主婦(66)宅に「息子さんが電車で痴漢をして捕まった。国選弁護人を立てたいと言っている」と電話があり、国選弁護人の連絡先として携帯電話番号を伝えてきた。電話すると、弁護士を名乗る男が「刑期は二年で百万円の罰金が必要だが、示談に持ち込むから」と現金三百万円の振り込みを要求。被害者の夫を装った男も登場した。
主婦は指定口座に現金を振り込んだが、不審に思った夫(70)が警視庁に通報して口座が凍結され、五十万円を引き出されただけで済んだ。主婦は「犯人たちが息子の勤務先を知っているようでパニックになった」と話した。
川崎市の女性(56)は、夫の痴漢行為の示談金名目で現金三百五十万円をだまし取られた。警視庁が詐欺容疑で現金の引き出し役四人を逮捕し、実行役の行方を追っているが、この女性は実行役からの電話で「痴漢をしたご主人は携帯電話で女性の写真を撮っていた。マスコミに公表する」と、だますと同時に脅されもしたという。
捜査幹部は「痴漢で逮捕されたその日のうちに示談金を要求することはあり得ない。振り込め詐欺の発生は減っているが依然、気を抜けない」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050614/eve_____sya_____005.shtml