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警視庁によると「フィッシング」行為の摘発は全国初という。薮野容疑者はコンピューターシステム管理会社のシステムエンジニア。警視庁は同日までに同容疑者の自宅を家宅捜索、パソコン12台などを押収した。
調べでは、薮野容疑者は今年2月、インターネット情報検索最大手「ヤフー・ジャパン」(東京都港区)のHPに似せた偽HPを開設してヤフーの著作権を侵害。
本物と間違って偽HPに接続した長崎県の会社員男性(59)が打ち込んだIDやパスワードを入手して2月20日、ヤフーのサーバーコンピューターにこのIDなどで不正アクセスした疑い。メールを盗み見たりしたという。
偽HPは本物と図柄が一緒で「YAHOO(ヤフー)」の「H」を「F」に置き換えただけ。入力されたIDやパスワードは、メールで薮野容疑者の携帯電話に転送されるようになっていた。
2月の開設後から約1カ月間で約70人がアクセス。うち約20人がIDやパスワードを入力していた。警視庁は薮野容疑者がこれらの情報を悪用、他人になりすましてネットオークションなどで詐欺行為をした疑いもあるとみて追及している。警視庁に2月下旬、「おかしなHPがある」との情報が寄せられていた。(共同)
■フィッシング(Phishing) 正規のホームページとそっくりな偽ページに個人情報を入力するよう仕向け、クレジットカード番号や暗証番号を不正に入手する行為で、「洗練された」(Sophisticated)餌メールで個人情報を「釣り上げる」(Fishing)という意味の造語。米国では銀行やカード会社になりすました第三者が不特定多数にメールを送付して偽ページに誘導、入手した暗証番号などを悪用して多額の現金をだまし取る「フィッシング詐欺」が2003年ごろから社会問題化。日本でも昨年から被害が報告され始めた。(共同)
(06/13 19:21)