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研究班は上田茂国立精神・神経センター精神保健研究所長を主任とする専門家グループ。二〇〇〇年十一月から今年二月までの四十例のネット自殺を中心に、自殺者の元精神科主治医などから得た情報を分析した。
分析では、ネット自殺に集まる人は「一人で死ぬのは寂しい」と仲間を募って他人を巻き込むタイプと、「楽に死ねるなら私も加えて」と追随するタイプに分かれた。
前者には多重人格や、いじめなど心的外傷体験により極端な性格の偏りを示す人格障害、うつ病が見られた人もあった。後者はうつ病やうつ状態の人がいた。
一方で、両タイプには精神障害がない人もあるが、思春期や進路が決められず悩む状態などでみられる閉塞(へいそく)感や、先行きの不透明感を持っていた。
ある男子大学生(22)は「あと四十年間、毎日同じ生活をするのは苦しい」とネットで呼びかけ、別の男性が「死にたい理由が特にあるわけでもないが、がんばるのが面倒だから死のう」と呼応した。当初は積極的に死を選ぶ理由が見受けられないのに、ネット上で会話を交わすうちに意識が高まり実際に自殺を図った事例で、二人は男女計四人で車中の練炭を燃やしたが未遂に終わった。
ネットでは、ほしい情報だけを選んで進める利便性がある。だが、研究班は「地域を越えて簡単に人と出会え、自殺手段も容易に得られる」と危険性を指摘。実際に集まると「途中で気が変わっても、集団の圧力により抜け出しにくくなる」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050612/mng_____sya_____010.shtml