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2005年06月06日(月) 03時06分

<詐欺>架空屋根修理で認知症女性から1500万円 大阪毎日新聞

 大阪府大東市の文化住宅に一人で暮らしていた認知症の女性(83)が、屋根の修理を施していないのに代金の支払いを求める男から、昨年2月から4カ月間で約1500万円をだまし取られていたことが5日、分かった。被害のほとんどは近くの郵便局窓口で女性本人が引き出したが、さらに約10日間で300万円を超える引き出しがあった銀行が疑問を抱き、奈良市の長男(58)に問い合わせて事態が発覚。架空工事による詐欺事件とみられ、家族は通帳記録やメモなどわずかな証拠を手がかりに、加害者特定に望みをつないでいる。
 「屋根の修理代と言って、朝に50万円、昼60万円を引き出されました。この1週間で合計300万円。ご存じですか?」 04年5月中旬、銀行から長男に電話が入った。長男はすぐ駆け付けた。「トイレの換気扇や屋根の修理代金を男が家に取りに来る」
 だが修理跡はない。「だまされている」と指摘したが、女性は認めようとしなかったという。
 約30年前に夫と死別。長男、長女の結婚後も住み慣れた文化住宅で、毎月の生活費は遺族年金の中からの約8万円という質素な暮らしだった。長男が「振り込め詐欺」が気になり忠告した時も「私はだまされないよ」とはっきりした口調で返答した。
 20万円、25万円、80万円。通帳を見ると04年2月以降、日を追って額が増えた。引き出された回数は50回を超えていた。
 男が訪ねてきた経緯を聞いても、女性は「分からない」。払う理由を聞くと「屋根を修理して、まだ残ってるから」。カレンダーや手帳には「のこり15万」「のこり25万」「26日に来る」など女性が書いた痛々しいメモが残る。しかし金を渡しても男から領収書は出ず「まだ(支払いが)残ってるよ」と繰り返すだけだった。
 郵便局では連日の引き出しは止まらず、1200万円の貯金は底をついた。家族への通報を入れた銀行の機転で銀行の預金はかろうじて残った。 発覚後一度、家に不審な男が訪ねてきた。長男が問いつめたが「過去に床下修理をしたが今は関係ない」とはぐらかされた。家族は、この不審者関連の情報を基に警察や弁護士にも訴え、犯人割り出しに懸命だ。
 女性はいま、長男宅で暮らす。その後、認知症であることが分かり、介護保険で「要介護1」と認定された。長男は「記憶が不確かな母をだまし、貯金をむしり取った。許せない」と憤る。【青木絵美】
(毎日新聞) - 6月6日3時6分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050606-00000011-mai-soci