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2005年06月03日(金) 15時59分

個人情報“過”保護!? 加害者名教えられぬ 両親たまらず被害届産経新聞

生徒けんかに厳格適用 大阪の府立高
 大阪市大正区の府立高校で同学年の生徒同士のけんかがあり、暴行で負傷したとする生徒側が、相手生徒の謝罪を求めるため学校に氏名や連絡先を問い合わせたところ、個人情報保護法を理由に拒否されていたことが三日、分かった。同校はプライバシー保護として生徒同士でも名前や住所などを知らせていない。困った被害生徒側は大正署に被害届を提出、けんかは警察が関与する「傷害事件」にまで発展した。
 被害生徒の両親は「相手から経緯の説明や謝罪を受ければ和解するつもりで刑事事件にする必要はなかった」と説明。個人情報保護法に詳しい弁護士によると法律的には学校の行動は誤りではないというが、府教委は「個人情報だから連絡先を教えないと拒み続けるべきでなかったかもしれない」と指摘している。
 関係者によると、事件は四月一日に校内で起きた。健康診断の後、被害者の一年生の男子生徒が、別のクラスの男子生徒に校門近くに連れ出され、殴られるなどの暴行を受けたという。被害生徒は顔などに約六週間のけがを負った。
 学校はけんかと判断。一週間後、双方の生徒と保護者を個別に呼び出し、停学処分を伝えた。この際、被害生徒の両親が相手生徒の氏名と住所、連絡先を尋ねたが、担当教諭は「個人情報にあたる」と拒否。代わりに相手側から連絡させるとして、被害生徒の連絡先を相手側に伝えた。
 ところが、相手側からの連絡はなかったといい、学校に再度依頼したところ、「民事に介入しない」と仲介を拒まれたという。
 同校は、生徒に名簿などを一切配布しておらず、入学当初は生徒同士でも相手の姓ぐらいしか分からない。このため、学校の対応に納得がいかない両親は同二十四日、「容疑者不詳」で大正署に被害届を出した。
 大正署は傷害容疑で捜査を始めているが、学校は当初、警察にも情報提供を拒否。警察が個人情報保護法でも認められている捜査上の必要性を説明し、ようやく情報を伝えたという。同署はすでに双方の生徒からの事情聴取などをしている。
 今年四月に全面施行された個人情報保護法と府個人情報保護条例は、氏名や電話番号などの個人情報を持つ組織が本人の同意なしに第三者に提供することを原則禁止と規定している。
 同法に詳しい弁護士は「学校の行動は一般的な感覚としては非常識だが、法律上は正しいと言うしかない」と話す。同校の校長も「相手がだれであれ、外部からの問い合わせに対して簡単には個人情報は教えない。対応に問題はない」と主張している。
 ただ、府教委高等学校課は「双方が話し合うのが望ましく、学校が被害者の心情をくんでいたらここまでこじれなかった。個人情報だから連絡先を教えないと拒み続けるべきでなかったかもしれない」。同弁護士も「学校は個人情報保護法を盾にとり、加害生徒の保護者を説得し謝罪に行かせるという必要なことをしていない」と教育上の問題を指摘している。
(産経新聞) - 6月3日15時59分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050603-00000027-san-soci