2005年06月02日(木) 22時54分

ＮＨＫ受信料不払い９７万件に（読売新聞）

　ＮＨＫの橋本元一会長は２日の定例会見で、一連の不祥事による受信料の支払い拒否・保留の件数が、５月末で９７万件に達したことを明らかにした。

　４〜５月の２か月間に増えた不払いは２２万３０００件だが、増加率は鈍化している。

　橋本会長は、「視聴者に我々の改善努力を受け止めていただけたのかなと思っている。ただ、（不払いの）発生件数は皆無になったわけではない。いっそう努力していきたい」と語った。

　ＮＨＫは今年度、受信料の不払いを４５万件と見込み、受信料収入を７２億円減収とする予算を組んでいるが、その後も不払いが拡大。３月末時点で、１１２億円の減収になると見込まれていた。しかし、不払いが９７万件に達したことで、３０億〜３５億円が加算され、最大１４７億円の減収になると見られる。ＮＨＫでは「これから取り戻す努力をするので、（加算分は）１５億円程度に収まる」としているが、これまでに支払いを再開したのは４〜５％にとどまっている。

　不払いの理由として、これまでは不祥事とその後の対応への批判を挙げる声が多かったが、小林良介理事は「この２か月間は、（受信料体系への）不公平感に変わってきている。『不払いの数が多いから払わない』ということも理由にされている」と語った。

　橋本会長は、「視聴者に理解をいただくＮＨＫ自身の努力が足りないと痛切に感じている。『お隣が払っていないから』といった不公平感を持っているような人に罰則規定を掲げるのはいかがか」と述べ、罰則の導入には否定的な考えを示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050602-00000113-yom-ent