2005年05月31日(火) 22時33分
住基ネット離脱、名古屋地裁は認めず、判断が分かれる(MYCOM PC WEB)
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)が、憲法で保障されたプライバシー権や人格権を侵害し違憲として、愛知県の住民13人が、国と愛知県、住基ネットを管理する地方自治情報センター(LASDEC)を相手取り、個人情報の削除と1人あたり22万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決が、名古屋地裁であった。西尾進裁判長は、「住基ネットは、種々の保護がなされており、本人確認以外の目的で使われたり、プライバシー侵害を容易に引き起こすような危険なシステムであるとは認められない」として、いずれの請求も棄却した。
前日の30日には、金沢地裁で同様の裁判の判決があり、金沢地裁では「住基ネットからの離脱を求めた原告らに適用する限り、住基ネットは憲法13条に違反する」との判断を示していた。
住基ネットからの離脱などを求めた訴訟は、全国13地裁で提訴されており、30日に初めて金沢地裁で司法判断が下り、損害賠償請求は棄却したものの、憲法13条に違反することを認めていたため、わずか1日で、地裁の判断が真っ向から分かれることとなった。
今回の訴訟を起こした市民団体「住基ネット差し止め訴訟を進める会・東海」では、計18人が名古屋地裁に訴訟を起こしており、そのうち13人の分の判決が下された。残り5人の訴訟は継続中だ。
「進める会・東海」では、今回の判決が「一方的に強行された不当なもの」と指摘、控訴する方針を明らかにしている。総務省では判決を受けて、住基ネットの適法性、有効性について、国の主張の正当性が認められた、とのコメントを発表している。
住基ネットの個人情報削除を命じる、金沢地裁
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/05/30/013.html
住基ネット侵入実験のセミナー報告中止で、米国技術者が総務省を提訴
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/11/23/001.html
【レポート】長野県住基ネット侵入実験のNuwere氏「管理責任の所在をはっきりと」
http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2004/11/17/securitylab/
長野県が住基ネットの安全性調査、内部からの攻撃に弱点ありと発表
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/03/01/010.html
情報セキュリティ対策連絡会議が開催 麻生総務相「総力を挙げて取り組む」
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/02/03/003.html
長野県、住基ネット侵入実験結果を公表 - 個人情報の改ざんが可能?
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/12/16/13.html
【レポート】住基ネット第2次稼働間近 - その現状と問題点とは(1)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/08/07/20.html
愛知県
http://www.pref.aichi.jp/
地方自治情報センター
http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/
住民基本台帳ネットワークシステム
http://www.soumu.go.jp/c-gyousei/daityo/
総務省
http://www.soumu.go.jp/
(MYCOM PC WEB) - 5月31日22時33分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050601-00000097-myc-sci